相続登記にはどれくらいの費用がかかる?相続放棄した方が良いケースを解説

相続登記 費用 

「相続登記には、どれくらいの費用がかかる?」「相続登記に必要な費用の内訳が知りたい」

このような疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。

家族や親族などが亡くなり、故人が不動産を所有していた場合には、名義変更などの手続きが必要です。

必要書類も多いため、発行手数料がかかることはもちろん、相続登記には税金も発生します。

また、相続放棄した方が良いケースはあるのでしょうか。

そこで本記事では、そもそも相続登記とはどのようなものなのか?費用や内訳、一般的に費用を負担するのは誰になるのかについてや相続放棄した方が良い場合について詳しく解説していきます。

今後、相続登記の予定がある方の参考になると幸いです。

目次

そもそも「相続登記」とは?

そもそも「相続登記」とは、不動産(土地や建物)の所有者が亡くなった際に、その不動産の名義を「被相続人(亡くなった方)」から「相続人」に変更することを指しています。

「法務局」で登録されることとなり、不動産の所有権を明確にすることが主な目的です。

万が一、相続登記を怠ってしまうと「売却」や「贈与」ができなくなるだけでなく、固定資産税の納付漏れが起きたり将来的に手続きが複雑になったりします。

一般的に「相続登記」に必要となる期間は「数週間〜2ヵ月程度」となっており、各地域の法務局によって異なるでしょう。

「相続登記」に必要となる書類の詳細が知りたい方は、下記の記事でまとめています。ぜひチェックしてみてくださいね。

「相続って、色々複雑で難しい」「必要書類も多いし、自分たちで対応できるのか不安…」と思った方も多いのではないでしょうか。

故人が亡くなった悲しみが大きい中、さまざまな手続きをこなしていくのは、精神的にも難しいかもしれません。

また、仕事も忙しく、時間を割くことができない人もいるでしょう。

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相続登記の費用

相続登記にかかる費用は、どれくらいなのでしょうか。

また、それぞれの内訳についても気になるところです。

相続登記の費用は、主に下記の3つとなります。

相続登記の費用3選
  • 必要書類の発行手数料
  • 登録免許税
  • 司法書士への報酬

ひとつずつ確認していきましょう。

必要書類の発行手数料

まずひとつ目は、必要書類の発行手数料です。

相続登記では、数多くの書類を準備しなければなりません。

書類ごとの発行手数料は、下記の通りです。

戸籍謄本1通:450円
除籍謄本1通:750円
改製原戸籍謄本1通:750円
戸籍の附票(写し)1通:300円
除籍住民票(写し)1通:450円程度※自治体ごとに異なる
印鑑証明書1通:450円程度※自治体ごとに異なる
固定資産評価証明書1通:200円~400円※自治体ごとに異なる

上記が、相続登記に必要となる書類の発行手数料になります。

注意点として、相続登記で必要な書類はそれぞれ「1通ずつ」ではないことです。

例えば、亡くなった方の「出生から死亡までの戸籍謄本」の場合、故人が引っ越し(本籍地が変更となるもの)を繰り返していれば必要枚数は必然的に多くなります。

主に、本籍地がある市区町村の役場まで出向いて取得することとなりますが、近年ではコンビニエンスストアで交付できるケースも。

コンビニで対応できる市町村は、まだ限られていますので、事前にチェックしてみましょう。

登録免許税

相続登記に必要となる費用の2つ目は「登録免許税」です。

登録免許税とは、不動産を売買したり相続を行ったりする際に、必ず収めなければならない税金となります。

登録免許税の計算方法は下記の通りです。

不動産の固定資産税評価額×0.4%の税率=登録免許税

例えば、固定資産税評価額が5,000万円の建物の「登録免許税」は5,000万円×0.4となり「20万円」を支払うことになります。

ただし、不動産を「遺贈」する場合には、注意しなければなりません。

遺贈とは、故人が指定した「団体や施設」または「個人」に、遺産や財産を無償で譲ること。

相続人以外が、不動産を「遺贈」として相続するケースでは「0.4%の税率」ではなく「2.0%の税率」となります。

相続人が支払う登録免許税と比べて、額が大きくなるため気をつけましょう。

司法書士への報酬

相続登記で必要となる費用3つ目は「司法書士への報酬」です。

相続登記は自分で行うことは可能ですが、必要書類が多く、手続きも非常に煩雑。また、時間もかかってしまいます。

司法書士への報酬は、相続人や不動産の数・住んでいる地域・依頼する内容の複雑さなどによって大きく異なりますが、一般的に10万円前後準備しておくと良いでしょう。

司法書士の報酬は「自由化」されているため、依頼する事務所によって費用が異なります。

また、必要書類の取得や遺産分割協議書の作成なども併せて依頼すると、追加料金が発生する可能性も。

いくつか見積もりを取ってみて、納得できる事務所を選ぶことがおすすめです。

相続登記の費用合計【具体例を用いて解説】

それでは、実際に相続登記で必要となる費用について、具体例を用いて解説していきます。

親が所有していた不動産の固定資産税評価額は「5,000万円」でした。

相続するのは、子供(ひとりっ子)1人で「単独相続」となります。

【固定資産税評価額5,000万円の不動産を子どもが単独相続するケース】

必要書類の発行手数料5,000円
登録免許税200,000円 ※5,000万円×0.4
司法書士への報酬100,000円
合計305,000円

必要書類の発行手数料や司法書士への報酬は、多少前後することもありますが、固定資産税評価額が5,000万円の不動産の相続登記では「305,000円」の費用が必要となることがわかります。

固定資産税評価額が1,000万円の不動産であれば、登録免許税が「40,000円」となりますので、費用の目安は「145,000円」です。

相続登記の費用は誰が負担するの?

相続登記の費用は、誰が負担するのでしょうか。

誰が費用を負担するかについては、明確なルールは存在していません。

相続人が「1名」の場合には本人が負担することになりますが、多くの場合、相続人となる人は複数人である可能性が高くなります。

その場合は、相続人同士の話し合いで決めるのが一般的です。

決め方は自由ですが、不動産を相続する人が全額負担するケースが多いでしょう。

相続放棄した方が良いケースもある?

相続は、メリットばかりではありません。相続放棄した方が良いケースも存在しています。

相続放棄とは、相続人が被相続人(亡くなった方)の財産や遺産を相続する権利を放棄することです。

相続が開始されてから「3ヵ月以内」に相続放棄の手続きを行う必要があり、一度放棄してしまうと、取り消しはできなくなるため注意する必要があります。

相続放棄をした方が良いケースは、主に下記の2つです。

  • 明らかに「負債」が多い場合
  • 相続トラブルに巻き込まれたくない場合

故人の遺産の中に「不動産」がある場合でも、負債がないとは限りません。

相続とは、借金や負債も引き継ぐことになるため、財産よりも負債の方が多いと「支払い義務」だけが残ることとなります。

借金があることを知らなかったとしても、相続放棄をしていなければ、借金を返済する義務があるのです。

もし、借金がある場合には、亡くなった後に「郵便物」などで通知がくることがあります。

不動産は、確かに大きな財産ですが、それ以上の借金があるケースも珍しくありません。相続の際は、慎重に検討すると良いでしょう。

2つ目は、親族間トラブルに巻き込まれたくない場合です。

相続には、さまざまな人が関わるケースが多くなります。親交のない親戚などから、相続放棄を迫られたり、遺産分割協議書への署名捺印を要求されたりすることも。

特に相続人となる人数が多いときには意見がまとまらず、価値観や考え方の違いもあるため、大きなトラブルへと発展する可能性も少なくありません。

また遺言書によって分配方法に差がある場合には、感情的になったり、不満に感じたりするケースもあるでしょう。

「お金のトラブルに巻き込まれたくない」「相続で、精神的ストレスを感じるのは面倒」という時には、3ヵ月以内に「相続放棄」を検討していると良いかもしれません。

まとめ|相続登記の費用は固定資産税評価額によって大きく異なる

本記事では、そもそも「相続登記」とはどのようなものなのか?主な費用となる「必要書類の発行手数料」「登録免許税」「司法書士への報酬」それぞれの費用の内訳や相続放棄した方が良いケースなどについて詳しく解説してきました。

必要書類の発行手数料や司法書士への報酬にも多少の差は生じますが、最も費用が異なる項目は「登録免許税」で必要となる「固定資産税評価額」であることがわかりましたね。

1,000万円の固定資産税評価額であれば「4万円」ですが、これが1億円の場合には「40万円」かかります。

固定資産税評価額によって、必要となる費用は異なりますので、事前にしっかりと確認しておくようにしましょう。

また、相続放棄した方が良いケースもチェックしておくことがポイント。

故人に、資産を上回る借金や負債があった場合には、相続した人に「返済の義務」が生じてしまいます。

「借金があることを知らなかった」と言っても、支払い義務を回避することはできませんので、慎重に確認するようにしましょう。

最後までお読みいただきありがとうございました。以上、参考になると幸いです。

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