相続登記の必要書類をパターン別に解説!書類の有効期限がないって本当?

相続登記 必要書類 有効期限

相続登記の必要書類について、頭を悩ませている方も多いのではないでしょうか。

不動産の相続で忘れてはいけない手続きとして「相続登記」が挙げられます。

相続登記とは、故人(被相続人)が所有していた不動産の名義を、相続する人(相続人)に変更する手続きです。

一言で「相続登記」といっても、いくつかのパターンに分かれており、それぞれ必要となる書類が異なります。

またどのパターンにおいても、準備しなければならない書類が多いため、手間や時間がかかってしまうのも事実。

少しでもスムーズに進められるよう、事前に必要書類をチェックしておくと安心です。

そこで本記事では、パターン別の相続登記の必要書類や入手場所、書類の有効期限や主な必要書類8選について詳しく解説していきます。

目次

【パターン別】相続登記の必要書類とは?

相続登記といっても、さまざまなパターンが予測されます。

それぞれのケースによって、必要となる書類が違ってきますので、チェックしておきましょう。

【主な相続登記のパターン】
  • 遺産分割協議によって相続する場合
  • 法定相続分で相続する場合
  • 遺言によって法定相続人が相続する場合
  • 遺言によって法的相続人以外が相続する場合

ひとつずつ解説していきます。

遺産分割協議によって相続する場合

遺産分割協議とは、故人(被相続人)の遺産および財産について相続人全員で「分配」についての話し合いを行い、決定した内容を合意書にまとめる手続きです。

遺産分割が必要となる主な理由は、親族間トラブルを未然に防いだり、不動産の場合には必須の法的な手続きであったりするためとなっています。

話し合いがまとまらない場合には、調停や訴訟へと発展する可能性もあるため、慎重に行わなければなりません。

必要となる書類・入手できる場所は、下記の通りです。

必要書類入手場所
相続人全員分の戸籍謄本市区町村の役場
被相続人の戸籍謄本(出生から死亡まで)
被相続人の住民票の除票
不動産を取得する人の住民票
(相続する不動産の)固定資産評価証明書不動産所在地にある市区町村の役場
収入印紙郵便局やコンビニ・法務局など
登記申請書自分で作成
返信用封筒コンビニや文具店・100円ショップなど
遺産分割協議書自分で作成
相続人全員分の印鑑証明書市区町村の役場

法定相続分で相続する場合

「法定相続分」とは、亡くなった人の遺産や財産について、相続人が法律で定められた割合で相続できる権利を指しています。遺言がない場合には「法定相続人」が遺産を相続するのが一般的です。

例えば「父」「母」「子ども(長女)」「子ども(次女)」の4人家族で父親が亡くなった場合。

法定相続分通りに遺産を分配すると、下記のようになります。

  • 母親:1/2
  • 子ども(長女):1/4
  • 子ども(次女):1/4

このケースでは「配偶者が1/2、子どもが1/2」の分配です。子どもは2名ですので、1/4ずつの取り分となります。

法定相続分通りに相続する際の必要書類は、下記の8つです。

必要書類入手場所
相続人全員分の戸籍謄本市区町村の役場
被相続人の戸籍謄本(出生から死亡まで)
被相続人の住民票の除票
不動産を取得する人の住民票
(相続する不動産の)固定資産評価証明書不動産所在地にある市区町村の役場
収入印紙郵便局やコンビニ・法務局など
登記申請書自分で作成
返信用封筒郵便局や文具店・100円ショップなど

遺言により法定相続人が相続する場合

故人の遺言によって、法定相続人が相続するケースについて確認していきます。

一言で「遺言書」といっても「自筆証書遺言」「公正証書遺言」「秘密証書遺言」の3種類に分かれており、このうち「自筆証書遺言」「秘密証書遺言」の2つに関しては、注意が必要です。

上記2つの遺言書の場合、まず初めに「この遺言書は本物かどうか」について調べるために、家庭裁判所での検認手続きが必要となります。

必要書類入手場所
相続人全員分の戸籍謄本市区町村の役場
被相続人の戸籍謄本(出生から死亡まで)
被相続人の住民票の除票
不動産取得者の住民票
(相続する不動産の)固定資産評価証明書不動産所在地にある市区町村の役場
収入印紙郵便局や文具店・法務局など
登記申請書自分で作成
返信用封筒郵便局やコンビニ・100円ショップなど
遺言書

遺言により法定相続人以外が相続する場合

最後に紹介するのは、亡くなった方の遺言によって「法定相続人以外の人」が相続するパターンです。

これは、生前の故人の意向で「(相続人以外の)お世話になった方に財産を譲りたい」「寄付したい団体や施設がある」といった場合に用いられます。

下記の表にある「遺言執行者」とは、遺言書の中で指定された人物で、スムーズに遺言を実行すべき執行人のこと。また、遺言執行者が指定されていない場合には、家庭裁判所において選任することができます。

遺言執行者は、複数人いても問題ありませんし、相続人と同一であってもOKです。

必要書類入手場所
相続人全員分の戸籍謄本市区町村の役場
被相続人の戸籍謄本(出生から死亡まで)
被相続人の住民票の除票
不動産取得者の住民票
(相続する不動産の)固定資産評価証明書不動産所在地にある市区町村の役場
収入印紙郵便局やコンビニ・法務局など
登記申請書自分で作成
返信用封筒郵便局や文具店・100円ショップなど
遺言書
遺言執行者の印鑑証明書市区町村の役場
遺言執行者仙人審判謄本家庭裁判所

「相続って、色々複雑で難しい」「必要書類も多いし、自分たちで対応できるのか不安…」と思った方も多いのではないでしょうか。

故人が亡くなった悲しみが大きい中、さまざまな手続きをこなしていくのは、精神的にも難しいかもしれません。

また、仕事も忙しく、時間を割くことができない人もいるでしょう。

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相続登記の必要書類に有効期限はあるの?

相続登記の必要書類に「有効期限」はあるのでしょうか。

住民票や印鑑証明書など、相続登記で必要となる書類に「有効期限」はありません。

例えば、5年前または10年以上前のものであっても使用可能です。

ただし、注意しなければならない点も。下記の2つの書類については「最新のもの」を用意しなければなりません。

  • 相続人の戸籍謄本
  • 固定資産評価証明書

相続人の戸籍謄本は、故人が亡くなった後である必要があります。理由としては「被相続人が亡くなった後に、相続人が生存していることを証明するため」です。

また、固定資産評価証明書についても、気をつけましょう。

固定資産評価証明書は、不動産の価値(価格)を示すものとなります。不動産価格は変動するものですので、最新のものを準備することが重要です。

相続登記で必要となる主な書類8選を解説

相続登記で必要となる主な書類は8つあります。

それぞれ、どのような書類なのでしょうか。

相続登記で必要となる8つの書類
  • 被相続人の戸籍謄本(出生から死亡まで)
  • 相続人全員分の戸籍謄本
  • 被相続人の住民票の除票
  • 登記事項証明書
  • 遺産分割協議書および相続人全員分の印鑑証明書
  • 相続関係説明図
  • 固定資産評価証明書
  • 相続登記申請書

ひとつずつ解説していきます。

被相続人の戸籍謄本(出生から死亡まで)

故人の「出生から死亡まで」が記載されている戸籍謄本が必要となる理由は、さかのぼって調べることで「相続人の特定」につながるからです。

また、遺産分割協議の際にも、重要な役割を果たすことになります。

取得するには、故人の最後の本籍地を調べ、そこに記載されている市区町村にある役場で申請を行います。

この時、申請する人の身分証明書(運転免許証など)と発行手数料が必要となりますので覚えておきましょう。

相続人全員分の戸籍謄本

相続人の戸籍謄本は、相続が行われる際に「相続人が生存している」という証明をするために必要となります。

被相続人とは異なり、現在の戸籍謄本のみで問題ありません。

被相続人の住民票の除票

被相続人の住民票の除票とは、故人が「住民基本台帳」から抹消されたことを証明する書類です。

相続登記において、死亡した日や最終本籍地・住所などを証明するために必要となります。

これは、故人の財産や遺産が、どこにあるかについてを探す手掛かりとなるのです。

登記事項証明書

登記事項証明書は、法務局に登録された不動産情報が記載されている書類となります。

不動産の所有者はもちろん、物件の詳細な情報が記されたものです。

抵当権が設定されてはいないか?または用途や面積・形状などを正確に把握するために用いられます。

遺産分割協議書および相続人全員分の印鑑証明書

遺産分割協議書は、相続人が遺産をどのように分配するのか?また、それについて合意しているのかを記載した書類です。文書として残しておくことで、その後のトラブルを防ぎます。

合意したことを証明するために、相続人全員が「署名」と「押印(実印)」を行います。

相続関係説明図

相続関係図は、被相続人と相続人の関係性を表す「家系図」のようなものです。

誰が相続人となるのかについて明確にし、スムーズな話し合いにつながります。

固定資産評価証明書

固定資産評価証明書とは、土地や建物といった不動産の評価額を証明するために用いられる書類です。

相続登記の際には、税金(登録免許税)を納める必要があります。この税金を計算するためにも、固定資産評価証明書が重要です。

上記でも触れましたが、不動産の価値は変動するものですので、必ず最新のものを取得するようにしましょう。

相続登記申請書

相続登記申請書とは、故人から不動産を相続した方が「法務局」に届出をし、自分名義に変更するための書類です。

この書類は、法務局の公式ホームページからダウンロードが可能となっています。

まとめ|相続登記の必要書類は多岐にわたる

本記事では、パターン別に見た相続登記の必要書類や有効期限、それぞれの書類の内容について詳しく解説してきました。

どのように相続登記を行うのかによって、必要となる書類が異なることがわかりましたね。

また、住民票や印鑑証明書に有効期限はないものの「相続人の戸籍謄本」と「固定資産評価証明書」に関しては、最新のものでなければなりませんので注意しましょう。

相続登記は、必要書類が多いだけでなく、手続きも煩雑で非常に時間がかかるものです。

自分たちで進めていくことが難しいと感じた場合は、専門家の力を借りることがおすすめ。

専門家のサポートがあれば、スムーズに進められるだけでなく、精神的負担も軽減できるでしょう。

最後までお読みいただきありがとうございました。以上、参考になると幸いです。

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