相続登記で委任状が必要となるケースは?不要な場合や書き方のポイントを解説

相続登記で委任状が必要となるケースは?不要な場合や書き方のポイントを解説

「相続登記で委任状が必要になるのはどんなとき?」「相続登記の委任状の書き方が知りたい」

このようなお悩みをお持ちの方も多いのではないでしょうか。

亡くなった方から遺産として不動産(土地・建物など)を相続する際に、名義人の変更手続きを行うのが「相続登記」です。

何らかの事情で、自ら相続登記を行えない場合には第三者に頼むこととなり、その際に「委任状」が必要となります。

ただし、中には委任状が不要なケースも。

また、委任状の書き方についても気になるところですよね。

そこで本記事では、相続登記の委任状とはどのようなものなのか?委任状が必要なケースと不要なケース、書き方の詳細について詳しく解説していきます。

「仕事が忙しく、相続登記を自分で行うのは難しい」「委任状を書く際の注意点が知りたい」という方の参考になると幸いです。

目次

相続登記の委任状とは?

そもそも「相続登記の委任状」とは、どのようなものなのでしょう。

相続登記の委任状とは、自分で相続登記が行えない際に、司法書士や親族に依頼する旨を記した書類のことを指しています。

委任状を作成して、相続登記申請書に添付することによって、相続登記を行う権限が代理人へと移るのです。

必要となる事項をしっかりと記載すれば、誰でも作成できます。

相続登記の意味や必要となる費用についての詳細は、下記の記事でまとめています。

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相続登記で委任状が必要となるケース

登記権利者が自ら相続登記の申請を行わず、他の方に相続登記を依頼する場合には「委任状」が必要です。

例えば、仕事が忙しかったり相続する不動産が遠方にあったりする場合など、自分で手続きすることが難しいケースもあります。

そんなときには、司法書士へ依頼するのが一般的。登記申請に関する権限を、司法書士へと移す必要があるため「委任状」が必要です。

相続登記を自分で行うべきか、司法書士へ依頼すべきかでお悩みの方は、下記の記事をチェックしてみてくださいね。

また、不動産を相続する人が「複数人」いるケースも珍しくありません。

その場合、登記申請は「代表者」が行うことが多くなります。

相続人全員が申請人となることもできますが、その中の1人が申請を行う場合、相続の権利がある人すべての「委任状」が必要です。

委任状があることで、相続人全員の「共有名義」にすることができます。

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相続登記で委任状が不要な場合もある

自分以外の人が相続登記する場合には、委任状が必要となることがわかりましたが、中には自分以外の人が相続登記を行っても「委任状が不要」となるケースもあります。

それが「未成年の子が不動産を相続する場合」です。

未成年の子が不動産を相続する場合、自分で手続きを行うのは困難です。

子どもに代わって「その子どもの親権者」が相続登記を行う場合には、委任状が不要となります。

また、故人の遺言書によって「遺言執行者」が指定されているケースも。

その場合、委任状がなくても、相続人の代わりに遺言執行者が相続登記を行うことが可能です。

相続登記における委任状の書き方

ここからは、委任状の書き方について解説していきます。

委任状を書く7つのステップは、下記の通りです。

相続登記における委任状の書き方【7つのステップ】
  • 相続登記を誰に委任するのか
  • 登記申請を委任する旨
  • 登記の目的
  • 登記の原因
  • 相続人に関する情報
  • 不動産の表示
  • 補足内容を記載

ひとつずつ確認していきましょう。

相続登記を誰に委任するのか

まず最初に「誰に相続登記を依頼するのか」についての記載です。

「委任状」とタイトルを入れ、委任する人の「住所」「氏名」の順で記載していきます。

記入例

委任状

住所 ○○県○○市○○町○丁目

氏名 佐藤 太郎

委任状は、パソコン・手書き、どちらで作成しても問題ありません。

登記申請を委任する旨

続いて、上記の方に登記申請手続きを委任する旨を記載します。

記入例

私は上記の者を代理人とし、登記申請に関する一切の権限を委任します。

登記の目的

登記の目的では「所有権移転」と記載するのが一般的です。

ここでは、相続する不動産の所有者が「被相続人のみ」「他の方との共有財産」なのかによって変わってきます。

故人が単独で所有していた場合の記入例

登記の目的 所有権移転

共有していた場合の記入例

登記の目的 ○○持分全部移転

上記の「○○」には、亡くなった方の名前をフルネームで記入します。

登記の原因

登記の原因に関しては、不動産の所有者が亡くなったことによって、相続することになったことを明記します。

そのため、元の所有者が亡くなった日付を記載しましょう。万が一、正確な日付がわからない場合には、故人の戸籍謄本を取得すると確認できます。

登記の原因の記入例

登記の原因 令和○年○月○日 相続

相続人・被相続人に関する情報

相続人と被相続人に関する情報を記載します。

相続人の人数や被相続人が「単独」または「共有」で所有していたのかなどによって、記載する内容が異なるため注意が必要です。

被相続人が単独で所有し相続人が1人の場合

被相続人 山本一郎

住所 ○○県○○市○○町○丁目○ー○
相続人 山本花子

被相続人が単独で所有し相続人が複数人いる場合

被相続人 山本一郎

住所 ○○県○○市○○町○丁目○ー○
持分2分の1 山本花子

住所 ○○県○○市○○町○丁目○ー○
持分2分の1 山本進

不動産の表示

不動産の表示は、登記事項証明書を確認しながらミスのないように記載しましょう。

不動産が「建物」か「土地」なのかによっても記載方法が変わるので、注意が必要です。

相続した不動産が「土地」のケース

不動産の表示

○○県○○市○○町○○番地の土地

相続した不動産が「マンションの一室」であるケース

不動産の表示

不動産番号 ※13桁の数字(登記事項証明書の右上に記載されている)
所在 ○○県○○市○○区○○丁目
地番 ○番○
建物の名称 605
種類 居宅
構造 鉄筋コンクリート造16階建て
床面積 1階部分 67.89㎡
土地の符号 1
所在地及び地番 ○○県○○市○○区○○丁目○番○
地目 宅地
地積 6789.00㎡

補足内容を記載

補足内容の記載も忘れてはいけません。後々、かかる手間を事前に省くことができます。

補足内容で記載する内容は、主に下記のようなものです。

  • 登記識別情報の受領に関する一切の件
  • 原本の返還請求・受領に関する一切の件
  • 復代理人選任に関する一切の件

上記以外にも、必要性を感じる事柄がある場合には、自由に記載することができます。

委任状作成時に注意すべきポイント

ここからは、委任状作成時の注意点について見ていきましょう。

注意すべきポイント1つ目は、白紙委任状を避けることです。

白紙委任状とは、委任する事項がまだ決定していない際に「空欄」の箇所がある委任状のこと。

悪用される可能性もありますし、相続人同士のトラブルへと発展する恐れもあります。万が一の場合にも、悪用されたことを証明することが困難となるケースもあるため、十分に注意しなければなりません。

2つ目の注意点は、作成時の「書き間違え」です。

委任状を作成する際は、どれだけ注意を払って慎重に記入していても、書き間違えてしまうこともあります。

書き間違えた場合には、間違えた箇所に「二重線」を引き、二重線の上から訂正印を押しましょう。

このときの訂正印は、委任状で使用した印鑑と同じものを使います。

また、委任状に使用する印鑑は、実印である必要性はありません。認印でも問題ないことを覚えておきましょう。

まとめ|相続人が相続登記を行わない場合の多くは委任状が必要

本記事では、相続登記の委任状とはどのようなものなのか?委任状が必要なケースと不要なケース、書き方の詳細などについて詳しく解説してきました。

相続人が自分以外の人(司法書士など)に相続登記を委託する場合には、委任状が必要となることがわかりましたね。

ただし相続人が未成年の子どもである際には、委任状が無くても、その子どもの親権者が代わりに相続登記できます。

故人の遺言書に「遺言執行者」が明記されている場合にも、委任状は不要です。

委任状は、必要事項さえしっかりと記入できれば誰でも作成可能ですので、本記事で紹介した書き方を参考に挑戦してみてくださいね。

最後までお読みいただきありがとうございました。以上、参考になると幸いです。

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