身近な人が亡くなった場合、故人が財産を残していれば、相続人たちによって「遺産分割」が行われます。
「どれくらいの取り分があるのだろう?」「遺言書がないときには、どのように分割するの?」といった疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか?
亡くなった方(被相続人)の遺産を受け取る権利がある人は「法定相続人」と呼ばれており、その配分についても、民法によって定められています。
これが「法定相続割合」です。
仲の良い家族・親族間においても、遺産相続の割合でトラブルに発展するケースは珍しくありません。
事前に「遺産分割の目安」について把握しておくと安心ですよね。
そこで本記事では、遺産分割の割合はどのように決まるのか?法定相続分と相続における優先順位について詳しく解説していきます。
「親が亡くなった場合、自分の法定相続分はどれくらいになるのだろう?」といったお悩みをお持ちの方の参考になると幸いです。
遺産分割の割合はどのように決めるの?
そもそも、遺産分割の割合はどのように決めるのでしょうか。
遺産分割は、下記の4パターンで決定されることとなります。
- 遺言書の内容に従う
- 遺産分割協議
- 法定相続分
- 裁判所での手続き
順番に確認していきましょう。
遺言書の内容に従う
まずは、遺言書の有無について確認しましょう。遺言書がある場合には、原則として、記載されている内容に従うのが一般的です。
遺産について、相続人すべての分割方法が書かれていれば、その通りに財産を分割します。
ただし、遺言書の内容に不満を持つ相続人がいる場合には「遺産分割協議」を行わなければなりません。
また、遺言書がない場合は、初めから「遺産分割協議」で相続人同士が話し合いを行います。しかし、その後の遺産整理などで、遺言書が見つかるケースも少なくありません。
遺産分割協議で相続人全員が合意した場合でも、その後に遺言書が見つかれば、遺言書の内容が優先されることとなりますので注意が必要です。
遺産分割協議
故人によって遺言書が作成されていなかったときや、遺言書に不満を持つ相続人がいる場合には、遺産分割協議を行います。
遺産分割協議とは、相続人全員で、被相続人の財産をどのように分割するのかについて話し合う手続きです。全員の参加が義務付けられており、皆が合意した結果を書面に書き記します。
これが遺産分割協議書です。遺産分割協議書についての詳細は、下記のリンクから確認できます。ぜひ参考にしてみてください。
遺産分割協議のポイントは、全員が合意すれば、分割方法は自由である点です。どのように分けても問題ありませんので、皆が納得する形で話し合いを行います。
法定相続分
遺産分割協議で話し合いを行ったにも関わらず、なかなか合意に至らないケースも珍しくありません。
その場合は、法定相続分で決められた通りに分割するのが一般的です。
それぞれの希望やこれまでの状況などは加味せず、民法で決められた通り「平等」に遺産分割を行うことになります。
裁判所での手続き
遺産分割協議・法定相続分など、さまざまな形で話し合いを行っても、決着がつかないこともあるでしょう。
そのような場合には、裁判所に判断を委ねることになります。
まずは、家庭裁判所に「遺産分割調停」を申請し、第三者を交えて冷静に意見を述べていきます。
遺産分割調停について、さらに詳しい内容が知りたい方は、下記の記事をチェックしてください。
遺産分割調停でも、合意が得られないケースもあります。その場合は、遺産分割調停が不成立となったことを意味しており、遺産分割審判へと移行します。
遺産分割審判では、裁判官によって遺産の分割方法が判断されることとなり、どのように分配するか決定されるのです。
この時、裁判官は法的相続分の目安に沿って判断するのが一般的と言えるでしょう。
法定相続分と相続における優先順位
そもそも「法定相続分」とは、どのようなものなのでしょうか。
遺産を相続できる「優先順位」についても気になるところです。
まず前提条件として、被相続人の「配偶者」は、必ず「法定相続人」となることを覚えておきましょう。
- 1位:子ども
- 2位:親
- 3位:兄弟や姉妹
優先順位は上記のようになります。例えば、被相続人(亡くなった方)に「子ども」「兄弟」がいた場合。子どもの方が優先順位が高いため、兄弟は相続人にはなりません。
続いて、法定相続分について見ていきましょう。
相続人 | 相続する割合 | |
---|---|---|
配偶者のみ | 配偶者が100%相続 | ー |
配偶者と子ども | 配偶者が1/2 | 子ども1/2(すべての子ども) |
配偶者と父母 | 配偶者2/3 | 父母1/3(全員で) |
配偶者と兄弟姉妹 | 配偶者3/4 | 兄弟姉妹1/4(全員で) |
被相続人に配偶者がいた場合、子ども・父母・兄弟姉妹の分配方法は上記のようになります。
例えば、配偶者と子供3人の場合。被相続人の遺産は、預貯金の1,200万円でした。
被相続人の配偶者が1/2を相続することになるため「600万円」受け取ることができます。子どもが1/2受け取ることになり、こちらも「600万円」。それを3人で分割するため、子ども1人当たり「200万円ずつ」となります。
また、相続が行われる場合、注意しなければならないのが「借金」や「負債」です。
「遺産分割」という言葉のイメージから、プラスの財産を想像する方も多いですが、実際にはマイナスの財産も一緒に相続することになります。ただし、マイナスの財産の方が多い場合には、3ヵ月以内に家庭裁判所へ「相続放棄」を申請することが可能です。
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まとめ|遺産分割の相談は専門家に依頼するのがおすすめ
本記事では、遺産分割の割合はどのように決めるのか?法定相続分や相続する際の優先順位について詳しく解説してきました。。
遺産分割において、1番優先されるのは「遺言書」であることがわかりましたね。また、一般的には遺言書に記載されていた通りに分割されますが、相続人同士の合意があれば、分配方法は自由に決められる点もポイントです。
相続人同士での話し合いがまとまらず、遺産分割協議が進まないときには、家庭裁判所で「遺産分割調停」の手続きを行わなければなりません。それでも合意が得られない場合には「遺産分割審判」において、判断を委ねることになってしまいます。
遺産分割の話し合いが長引くと、精神的にも肉体的にも大きな負担が掛かることとなりますので、スムーズに進めたい方は専門家へ依頼することがおすすめです。
大切なご家族が遺産トラブルに巻き込まれないよう、生前に遺言書を作成しておくことを意識しておくと良いでしょう。
最後までお読みいただきありがとうございました。以上、参考になると幸いです。