定年後に家を買うメリットとデメリット|住宅ローンは組めるの?

定年後 家を買う メリットとデメリット

「老後に家を買うのは危険?」「定年後にマイホームを購入するデメリットを知りたい」

このようなお悩みをお持ちの方も多いのではないでしょうか。

仕事から解放され、住む場所にも制限がなくなるため、長年の夢だった土地で生活を送ることも可能です。誰もが、老後は都会の喧騒から離れて、静かな場所でゆっくりと過ごしたいと考えたことがあるはず。

しかし、さまざまな不安から、なかなか踏み切れずにいる方もいるでしょう。

そこで本記事では、定年後に家を買うメリットやデメリット、ローンを組むことは可能なのか?物件選びのポイントや注意点について詳しく解説していきます。

「ローンを組めるのか不安」「定年後に家を買って、後悔しないか?」と考えている方の参考になると幸いです。

目次

定年後に住宅ローンを組めるの?

定年後に家を購入する際、住宅ローンを組む予定の方も多いはずです。

「仕事をしていないから、審査に通らないのでは?」と不安に思っている方もいるでしょう。

現金一括で購入する場合は問題ありませんが、老後資金のことを考えると、ある程度の資金は残しておきたいところ。

住宅ローンの申し込みには、年齢制限が設けられており「20歳以上〜70歳(65歳の金融機関も有り)以下」となっています。

60歳で定年退職した場合でも、住宅ローンの申し込みは可能です。

ただし、必ずしも審査に通るとは限りませんので注意しなければなりません。

また、住宅ローンの完済は「80歳未満」と定められています。定年後、審査に通って住宅ローンを借りた場合には、返済期間が短くなる点に気をつけましょう。

定年後に家を買うメリット

定年後に家を買うメリットは、下記の4つです。

定年後に家を買うメリット
  • 相続税を抑えることが可能
  • 家族に資産を残すことができる
  • 好きな土地に移住することができる
  • 老後を見据えた環境で生活できる

ひとつずつ確認していきましょう。

相続税を抑えることが可能

定年後に家を買う場合、相続税対策になる点が大きなメリットのひとつです。

購入した住宅にご自身が住んでいる場合「小規模宅地等の特例」が適用されることもあります。

条件を満たすことによって、土地の相続に必要な税金のうち「8割」を抑えることが可能。

例えば、評価額5,000万円の土地であっても小規模宅地等の特例に該当すれば、相続税の課税は「1,000万円」に抑えられるのです。

ただし「330平米までの土地」という決まりがありますので注意しましょう。

家族に資産を残すことができる

家の購入は、遺された家族への大きな資産を残すことになります。

相続した子どもが、金銭的に余裕がなくなった際には、売却することも可能です。

また、中には自分で住むためではなく「資産形成」のひとつとして、家の購入を検討する方も。

買った家を第三者に貸し出すことで「家賃収入」を得ることができます。

好きな土地に移住することができる

定年後に家を買うメリットの3つ目は、好きな土地に移住することができる点です。

会社勤めをしていたときには、通勤しやすいエリアや、子どもの学校や習い事などを中心に居住地を決めていたはず。

しかし定年後は、住む場所に制限がなくなり、柔軟に移住を検討することができます。

老後を見据えた環境で生活できる

定年後に家を買うときには、老後を見据えた環境で生活することができます。

例えば「子どもたちが独立したので、コンパクトな家に住みたい」「今後、車を手放すことになるので、アクセスの良い場所を希望している」といった希望を叶えることも可能です。

また、戸建てに住んでいる場合には、庭の手入れが大変になってきたと感じることも。玄関やお風呂などの段差が気になってくる人も多いでしょう。

そんなときには、バリアフリーが施されているマンションを選択するのがおすすめです。

定年後に家を買うデメリット

続いて、定年後に家を買った場合のデメリットについても確認しておきましょう。

定年後に家を買うデメリット
  • 住宅ローンの審査が難しい
  • コストがかさむ
  • いずれ老人ホームや子どもと同居する可能性が高い
  • 貯蓄が大きく減ってしまう

順番に解説していきます。

住宅ローンの審査が難しい

住宅ローンを利用しようと考えている場合は、審査に通るのが難しいかもしれません。

申請はできても、安定した収入がなければ住宅ローンを借りられない可能性が高くなります。

また、審査基準は、年齢だけではなく「健康状態」も重要なポイント。持病がある方はもちろん、健康面に不安を抱えている場合は注意が必要です。

不動産投資などの安定した収入を確保している際は審査に通りやすいですが、まとまった退職金があるだけでは借りられないケースもあるでしょう。

コストがかさむ

家を買うと、固定資産税や維持費などが大きな負担となります。

例えばマンションを購入した場合、月々のローンだけでなく、毎月必ず「管理費」や「修繕積立金」を支払わなければなりません。

駐車場を借りている場合には「駐車場代」も必要となるでしょう。

また、リフォーム費用が発生する可能性もあります。

新築物件を購入した場合には、リフォーム費用をそれほど気にしなくても問題ありませんが、中古物件は経年劣化が激しいこともあるため気をつけましょう。

いずれ老人ホームや子どもと同居する可能性

せっかくマイホームを手に入れても、生涯住み続けられるとは限りません。

突然病気を患ってしまうこともありますし、認知症を発症してしまう可能性も。

そうなると、老人ホームへの転居や子どもとの同居することも考えられます。

ローンが残っている状態で、家を売らなくてはならない場面も出てくるかもしれません。

貯蓄が大きく減ってしまう

住宅ローンの審査に通らなかった場合、現金一括で家を買うことになります。

老後のために貯蓄していた費用の大半を、購入費用に充ててしまうことになるでしょう。

退職金や預貯金が大幅に減ってしまい、苦しい生活を強いられる可能性も出てきます。

収入源となる「年金」で生活費のすべてを賄うことができれば問題ありませんが、そうでない場合には、老後の大きな不安材料となってしまうのです。

購入時には、綿密な資金計画を立てて、慎重に物件を選ぶようにしましょう。

定年後に家を買うときのポイント

定年後に家を買う際には、どのような点に気をつければ良いのでしょう。

失敗しない家選びをするためのポイントを4つ紹介していきます。

定年後に家を買う際のポイント
  • バリアフリーが整っている物件を選ぶ
  • 子どもや親族と行き来できる場所を選ぶ
  • 利便性を重視する
  • ライフスタイルに合わせた物件にする

ひとつずつ見ていきましょう。

バリアフリーが整っている物件を選ぶ

高齢になって、足腰が弱くなってしまうことを考慮して、バリアフリーが施されている物件を選ぶのがおすすめです。

必要になったときにリフォームすることもできますが、その際にまた、大きな出費となってしまいます。

仕事をしていて、安定した収入がある場合は、大きな痛手はないかもしれません。しかし「年金」だけが収入源の時には、大規模なリフォームが家計を圧迫してしまいます。

先のことを見据えて、段差のない家を選ぶと良いでしょう。

子どもや親族と行き来しやすい場所を選ぶ

元気なうちは問題ありませんが、少しずつ外出が億劫になったり、健康面に不安が出てきたりするものです。

万が一のことがあったときでも、子どもや親族が近くに住んでいれば、すぐに安否を確認することができます。

夫婦2人暮らしの場合、どちらかが亡くなってしまうと「一人暮らし」になります。

そんなとき、すぐに行き来できる場所に子どもや親族が住んでいれば、お互いに安心感も増すでしょう。

利便性を重視する

定年後に家を買う際には、利便性を重視することがポイントです。

「すぐ近くにスーパーやドラッグストアがある」「交通の便が良い」「病院や銀行が近い」など、普段から利用する施設が、徒歩圏内にあると暮らしやすくなります。

現在は車を運転している場合でも、いずれ免許を返納するかもしれません。

利便性の良い場所に家を購入することで、一段とと生活しやすくなるはずです。

ライフスタイルに合わせた物件を選ぶ

ご家庭のライフスタイルに合わせた物件を選ぶことも大切です。

「孫がよく遊びにくるから、思い切り遊ばせてあげたい」「ガーデニングが趣味」「ペット中心の生活をしている」などの場合には、戸建てを選ぶのがおすすめ。

マンションにも「ペット可能」な物件はありますが、選択肢が狭くなってしまいます。

また「セキュリティ面を重視している」「バリアフリーを希望している」というときには、マンションを選ぶのが良いでしょう。

それぞれのライフスタイルに合わせて、理想的な物件を探してくださいね。

定年後に家を買うときの注意点

最後に、定年後に家を買うときの注意点について解説していきます。

定年後に家を買う注意点
  • 住宅ローンの返済期間に注意
  • 資金計画を慎重に

順番に見ていきましょう。

住宅ローンの返済期間に注意

上記でも触れましたが、定年後に住宅ローンの審査に通った場合でも、返済期限は「80歳未満」と義務付けられています。

例えば、65歳でローンを組んだ際には、最長でも15年以内にローンを完済しなければなりません。

借入額にもよりますが、月々の返済額が大きくなることが予想されます。

返済期間を意識して、無理のない計画を立てましょう。

資金計画を慎重に

定年後に家を買う際には、慎重な資金計画を立てる必要があります。

月々に必要となるランニングコストを最小限に抑えることも重要なポイント。

住宅ローンや固定資産税、管理費やリフォーム代を考慮することはもちろん、いざという時に備えて予備費を確保しておくことも大切です。

突然病気になったり、介護が必要になったりするケースも珍しくありません。

万が一の事態に陥ったときでも、柔軟な対応ができるよう、ある程度の予備資金を準備しておきましょう。

まとめ|定年後に家を買う際には慎重に計画を立てよう

本記事では、定年後でも住宅ローンは借りられるのか?定年後に家を買うメリットやデメリット、注意点などについて詳しく解説してきました。

退職した後でも住宅ローンの申請は可能ですが、安定した収入がない場合には、審査に通るのが難しいということがわかりましたね。

また、定年後に家を買うメリットには「好きな土地に住むことができる」「家族に資産として残すことができる」など、多くの魅力がありました。

その一方で、貯蓄が大きく減ってしまったりコストがかさんだりなどのデメリットも。

定年後に家を買うときには、綿密な資金計画を立てて、慎重に進めることが大切です。

本記事を参考に、後悔のない住まい選びをしてくださいね。

最後までお読みいただきありがとうございました。以上、参考になると幸いです。

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