老後の住まいについて悩んでいる方も多いのではないでしょうか。
「子どもたちが巣立って、自宅が広すぎる」「住み替える場合は、持ち家と賃貸どちらが良い?」「今の家に住み続けるメリットはある?」
ライフスタイルの変化や時代の流れなど、さまざまな理由から、老後の住まいについて考えることもあるでしょう。
元気なうちは問題ありませんが、今後の生活を考えると不安や疑問が浮かんできます。
そこで本記事では、住まいの選び方3選や持ち家と賃貸の比較、現在の住まいに住み続けるメリット・デメリットについて詳しく解説していきます。
「安心した老後が送れるよう、住み替えを検討している」「賃貸と持ち家、どちらが良いのか知りたい」とお悩みの方の参考になると幸いです。
老後の住まい「住み替え」|選び方のポイント3選
老後の生活を考えたとき「今の家に住み続けるか?住み替えるか?」と悩む方も多いはずです。大型リフォームという選択肢もあるでしょう。
子供が巣立って行き、住宅ローンも完済している場合、住み替えの選択肢を取る方も少なくありません。
現在住んでいる戸建てを売却して中古マンションを購入したり、住んでいた自宅は売却せず賃貸物件として貸し出して家賃収入で自分も賃貸物件に住み替えたりなど、さまざまな方法があるでしょう。
しかし安易に住み替えをしてしまうと、失敗する可能性も高く、老後の生活に大きく影響してしまいます。
住み替えをする場合、どのような点に気を付けて選ぶのが良いのでしょうか。
住み替えで失敗しない選び方のポイントを3つ紹介していきます。
- 立地や利便性
- 子供世帯との距離
- 物件の種類
順番に見て行きましょう。
立地や利便性
住み替えのポイントとして、もっとも重視したいのが「立地」や「利便性」です。
年齢を重ねるごとに、駅から近く、生活環境が整っている場所への需要がより一層高まります。
車を手放す年齢に差し掛かることも多く、交通機関に頼らずとも、買い物や病院・銀行などへ行ける「アクセスの良さ」が重要です。
子供世帯との距離
住み替えを検討する際には、子供世帯との距離についても慎重に検討するのがおすすめです。
「同居にはお互い抵抗がある」「離れすぎていると、孫にもなかなか会えず、いざという時に不便」と考える方も多いはず。
子供世帯との距離は「近居」が理想的です。
近居にはさまざまなメリットがあります。
子供や孫たちと、密に交流を持てることはもちろん、育児にも協力してあげることが可能です。
お互いにサポートし合うことができ、安心感も増します。
また、適度な距離感が保てるため、親子関係が良好になるでしょう。
住み替えを検討する際には、子供世帯との近居も視野に入れると安心です。
物件の種類
住み替えの際に、もっとも悩むポイントのひとつが「物件の種類」です。
物件の種類には、下記のようなタイプが挙げられます。
- 戸建て
- マンション
- 賃貸住宅
- 老人ホーム
戸建てやマンションの場合、購入するのか賃貸にするのかについても悩みどころ。
選ぶときのポイントは「どのような老後をイメージしているのか」です。
例えば「持ち家の戸建て」は、庭の手入れやガーデニングを楽しみたい方や、孫たちが遊びに来た際に思い切り遊ばせてあげたいなどの希望がある人におすすめ。
しかし、交通の便が悪かったり、老朽化によるリフォーム代がかさんだりというデメリットも。
「持ち家のマンション」は、バリアフリー仕様の場合が多く、老後に安心な住まいです。セキュリティもしっかりしており、建物の管理も必要ありません。また、利便性に優れた物件が多い点も魅力のひとつ。
しかし、ローンを完済しても「月々の管理費・修繕費」がかかる点や、自由にペットが飼えないなどのデメリットもあります。周囲への騒音などにも注意を払わなければなりません。
それぞれの物件に魅力や懸念点がありますので、ご自身のライフスタイルと照らし合わせて検討するようにしましょう。
老後の住まい|持ち家と賃貸を徹底比較
老後の住まいで「持ち家と賃貸、どちらがいいのだろう?」と悩んでいる人も多いですよね。
下記の5つのポイントから、持ち家と賃貸を比較してみましょう。
- 初期費用
- ローンリスクと家賃
- 維持費や管理費・修繕費などの諸費用
- 資産形成
- リフォームについて
順番に解説していきます。
初期費用
初期費用の負担は、当然「持ち家」が大きくなります。
頭金はもちろん、不動産所得税や仲介手数料・登記手数料などが必要となり、物件購入額の「5%〜10%」というまとまった費用が必要です。
2,000万円の物件であれば、おおよそ「100万円〜200万円」用意しなければなりません。
一方、賃貸物件の場合は「敷金」「礼金」が必要です。(敷金礼金ゼロの物件も有り)
一般的には「家賃の2ヶ月分」である場合が多く、8万円の物件の場合は「16万円+前家賃8万円」となり、約24万円となります。
物件によっては、管理費や別途駐車場代もかかりますが、持ち家の初期費用と比べると安く済むでしょう。
ローンと家賃
持ち家の場合、まとまった初期費用を準備する必要がありますが、ローンの返済が終われば負担額は大幅に減らすことができます。
一方で、賃貸物件の場合には、住み続けている限り永年的に家賃を払い続けなければなりません。
長く住み続けていても、家賃が安くなるというケースはほぼなく、負担が軽減されることはないでしょう。
また、持ち家を購入する際には、ローンを組むことが一般的です。
転職やリストラ、生活状況の変化によって収入が減って、ローン返済が難しくなる可能性も。最悪の場合、ローンが残った状態のまま、家を手放すことも考えられます。
しかし、賃貸物件にはローンリスクはありません。収入が減ってしまったときには、家賃の安い物件へ引っ越すことができます。
維持費や管理費・修繕費などの諸費用
持ち家の場合には、維持費や管理費・修繕費などの諸費用を意識しておく必要があります。
毎年支払う義務がある「固定資産税」も忘れずに計算しておきましょう。
マンションの場合は毎月「管理費」「修繕費」がかかります。
そのような場合でも、メンテナンス費用や修繕費の予算を組んでおくと安心です。
また、持ち家は「トイレの水が止まらなくなった」「給湯器が故障した」といった場合、すぐに修理しなければなりません。
その一方、賃貸物件では、すべてオーナーが負担してくれます。(自然故障に限る)
資産形成
資産形成の面では、持ち家がおすすめです。
ローン完済後は「資産」となるため、売却すればまとまった資金を得ることができます。
老後の生活に充てることも可能で、ゆとりのある暮らしを実現できるでしょう。
また、子供に残す「財産」となることも魅力のひとつです。
賃貸物件の場合は、どれだけ長い年数住み続けていても、資産にはなりません。
リフォーム
持ち家は、自分好みに自由なリフォームが可能です。
壁紙を張り替えたり、将来を見据えてバリアフリーにしたりと、理想の住まいを実現できます。
また、4LDKから3LDKにするなどの「間取り変更」もできるため、ライフスタイルに合わせた暮らしを続けていけるでしょう。
しかし、賃貸物件ではほぼリフォームはできません。
例えば「夏は暑いので、クーラーを付けたい」というときでも、許可なく取り付けるのはNG。
借りている物件に穴を開けることとなってしまいますので、必ずオーナーや管理会社に相談する必要があります。
また、費用は自己負担となるケースが多いため注意が必要です。
老後も現在の住まいに住み続けるメリット・デメリット
「住み替えを検討しているけれど、今の家には、思い出と愛着がある」「この土地を離れるのは寂しい」という気持ちもあるかもしれません。
老後も住み替えをせず、現在の住まいに住み続けるメリットとデメリットについて確認していきましょう。
メリット
老後も、現在の住まいで暮らすメリットは、住み慣れた家のため「安心感」が大きいことです。
長年住み続けている自宅、慣れ親しんだ環境の中で生活できるため、親しい友人などとの交流も楽しめます。
また、自分たちだけでなく、子供たちにとっても思い出がたくさん詰まった住まいです。
家族が集まりやすい場所となっているケースも多く、孫が来ても十分な広さがあるはず。
年末年始やお盆など、たくさんの人が集まるときにも重宝するでしょう。
それだけでなく、住み替えを検討する時期には、住宅ローンを完済している人も。
その場合は、固定資産税のみの支払いとなり(マンションの場合は管理費や修繕費も必要)月々の出費を抑えることが可能です。
デメリット
現在の住まいに住み続けることで起こり得るデメリットは、メンテナンス費用がかさむことです。
長く住み続けている住まいは、経年劣化が進み、定期的なメンテナンスを行わなければなりません。
また、自然災害があった場合に大きなダメージを受ける可能性もあります。
また、夫婦2人になると、使っていない部屋が多くなるかもしれません。家が広すぎると感じることもあるでしょう。
使っていない部屋があるにも関わらず、高額な光熱費や税金などは支払い続ける必要があるのです。
仕事を退職した後は、年金が収入源となるため、税金や光熱費が負担になることも。
それだけでなく、高齢になるにつれ、ライフスタイルに変化がでてきます。
周辺環境や利便性などにおいて、以前は感じなかった「不便さ」を実感することもあるでしょう。
まとめ|老後の住まいはライフスタイルに合わせて選ぼう
本記事では、老後の住まいの選び方や「持ち家」と「賃貸」の比較、住み替えせず現在の住まいに住み続けるメリット・デメリットについて詳しく解説してきました。
住み替えを検討する場合、老後の住まいを選ぶときに失敗しないポイントは「利便性や立地」「子供世帯との距離」「物件の種類」の3つを意識することがわかりましたね。
高齢者の住まいには、利便性の良い環境が重要なポイントとなります。運転免許を返納したり健康面に不安を抱えたりすることも多いため、住み替える場合は、アクセスしやすい立地を選ぶことが大切です。
また「持ち家」「賃貸物件」には、それぞれにメリット・デメリットがあります。
ご自身のライフスタイルや経済状況に合わせて、理想的な老後の住まいを見つけてくださいね。
最後までお読みいただきありがとうございました。以上、参考になると幸いです。