老後の住まいの選択肢として「シニア向け分譲マンション」を検討している方も多いのではないでしょうか。
シニア向け分譲マンションは、老人ホームや介護施設とは異なり、物件を購入することができるため資産形成としても注目を集めています。
しかし、2024年現在はまだ物件数が少なく、選択肢が少ないのが現状です。
今後、市場は活発化していくことが予想されますので、事前に特徴や費用などを確認しておきたいところですよね。
そこで本記事では、シニア向け分譲マンションにはどのような特徴があるのか?入居条件や費用・メリットやデメリットについて詳しく解説していきます。
「子どもに相続させられる?」「賃貸として貸し出せるって本当?」といった疑問をお持ちの方の参考になると幸いです。
シニア向け分譲マンションとは?
そもそも「シニア向け分譲マンション」とは、どのようなマンションなのでしょうか。
シニア向け分譲マンションは、高齢者が安心・安全な生活が送れるよう「バリアフリー化」された分譲マンションです。
医療ケアや介護についての基準は設けられておらず、それぞれの物件によってサービスが異なります。
施設内の設備が非常に充実しており、温泉やプール・カラオケやフィットネスジム、レストランなども完備されているのが特徴です。
また、老人ホームや介護施設などとは異なり「マンション購入」となりますので、資産形成としてもおすすめ。
子どもに、財産として残すことができる点も魅力のひとつです。
また、購入後に売却や譲渡ができるのはもちろん「賃貸」として第三者に貸し出すこともできます。
シニア向け分譲マンションの入居条件
シニア向け分譲マンションの入居条件は、基本的に「自立した生活を送れること」となります。
食事や入浴などの日常生活に介護が必要な場合や、認知症の支援サービスなども提供されていません。
要支援や要介護、または認知症を発症している方は、外部業者に委託する必要があります。
また、一般的な老人ホームでは「入居可能年齢」が定められていますが、シニア向け分譲マンションには明確な決まりがないことが特徴。
それぞれの物件によって条件は大きく異なりますので、まずは事前に問い合わせてみましょう。
シニア向け分譲マンションの費用はどれくらい?
シニア向け分譲マンションの費用について気になるところですよね。
費用は立地やグレード、広さなどによって異なりますが、新築物件であれば数千万円〜数億円と非常に高額になっています。住宅ローンを組むことも可能。
それだけでなく、管理費や修繕積立費・固定資産税などの費用も忘れてはいけません。
また、カラオケやフィットネスジム・プールや温泉など、さまざまな設備が利用できるため「施設利用料」や「サービス利用料」もかかります。
食事や光熱費なども含めて、月額利用料は「10万円〜30万円」が相場です。
シニア向け分譲マンションとサ高住との違い
シニア向け分譲マンションと似た施設に「サービ付き高齢者住宅(通称:サ高住)があります。
老後の住まいを検討した際に、シニア向け分譲マンションとサ高住の2つで迷う方も多いでしょう。
入居条件に関しては、シニア向け分譲マンションが「自立した生活を送れる高齢者」であることに対し、サ高住には「介護型」もあります。
そのため、介護が必要な方や認知症を発症している方でも、外部業者に委託することなく利用できるでしょう。
サ高住は「安否確認サービス」「生活相談サービス」が義務付けられていますが、シニア向け分譲マンションには決められたルールはありません。
そして1番大きな違いは「費用」です。
サ高住は、比較的安い費用で入居することができますが、シニア向け分譲マンションは数千万円〜数億円の物件ですので、ローンの返済も含めると非常に高いことがわかります。
また、サ高住は「賃貸物件」であることに対し、シニア向け分譲マンションは「所有権」があります。自分の資産として所有することとなるため、売却や相続・賃貸など、さまざまな選択ができるでしょう。
サービス付き高齢者向け住宅についての詳細は、下記の記事で解説しています。ぜひ参考にしてください。
シニア向け分譲マンションのメリット
ここからは、シニア向け分譲マンションのメリットについて解説していきます。
- 資産形成ができる
- 自由度の高い生活が送れる
- 設備やサービスが充実している
順番に見ていきましょう。
資産形成できる
メリットの1つ目は「資産形成」できる点です。
マンションを購入することによって、自らの資産となります。
入居する際にはまとまった費用が必要となりますが、子どもへ相続したり第三者に貸し出したりするなど、さまざまな方法を選択できるのが魅力です。
自由度の高い生活が送れる
2つ目のメリットは、自由度の高い充実した生活が送れる点です。
一般的な老人ホームであれば、施設ごとのルールや規則があり、大まかなスケジュールや面会時間なども決められています。
しかし、シニア向け分譲マンションには、制限がありません。
外出や外泊も自由ですし、マンション内にはスタッフが常駐しているため、いつでも相談に乗ってくれます。
理想的なシニアライフを送れる点が大きな魅力といえるでしょう。
設備やサービスが充実している
シニア向け分譲マンションのメリット3つ目は、充実した設備やサービスです。
物件ごとに設備は異なりますが、多くの施設には温泉やフィットネスジム・プールや図書室、レストランやカラオケなどが完備されています。
また、季節ごとにイベントが開催されており、高齢者が充実した毎日を送るための工夫が施されているのもポイント。
入居者は、いつでも自由に利用することができます。
他の入居者たちとの交流も楽しむことができるでしょう。
シニア向け分譲マンションのデメリット
続いて、シニア向け分譲マンションのデメリットについても確認しておきましょう。
- 購入費用や月額利用料が高い
- 年齢を重ねると設備を使う機会が減る
- 施設が少ないため入居しづらい
ひとつずつ解説していきます。
購入費用や月額利用料が高い
デメリットの1つ目は、やはり費用の問題です。
月額利用料も高く、何より購入費用が大きな壁となるケースが多くなります。
中には数千万円の物件もありますが、数億円の物件も珍しくありません。
対策として、中古で探すのがおすすめ。中古のシニア向け分譲マンションであれば、1,000万円台で購入できることもあるため、現実的な金額といえるでしょう。
年齢を重ねると設備を使う機会が減る
シニア向け分譲マンションの大きなメリットともいえる「充実した設備」ですが、高齢になるにつれて、利用する機会が減ってしまいます。
例えば、50代で入居した場合「心身ともに健康」で、フィットネスジムやプール・カラオケや温泉などの施設を満喫できるでしょう。
しかし、70代・80代になってくると、それらの設備を使う機会が格段に減る可能性も。
利用しなくても、月額利用料やサービス料は毎月かかってしまいます。
将来を見据えて、必要のない設備は選択肢から外すようにしましょう。
施設が少ないため入居しづらい
3つ目のデメリットは、現状施設が少ないため、入居しづらいことです。
購入を検討した場合でも、希望する地域には物件がないことも多く、入居までに時間がかかってしまうことも。
また、数が少ないため、相場が分かりにくい点もデメリットといえるでしょう。
まとめ|シニア向け分譲マンションはまだ少ない!
本記事では、シニア向け分譲マンションとはどのような物件なのか?入居条件や費用、サ高住との違いやメリット・デメリットについて解説してきました。
非常に高額な物件となりますが、その分充実した設備が整っており、シニアライフを十分に満喫できることがわかりましたね。
一般的な老人ホームとは異なり、マンションを購入することとなるため「自らの資産」として、活用することができます。
その一方で、シニア向け分譲マンションは、まだ市場が確立されていません。
入居を検討しても、物件数が少なく、選択肢の幅が狭まってしまうことを覚えておきましょう。
最後までお読みいただきありがとうございました。以上、参考になると幸いです。