終活の検討を始めたとき「1人で進めるのは不安」「誰かに相談したい」と考える人も多いかもしれません。
困ったときに頼れる人がいると、とても心強いですよね。
老後な生活を、より充実したものにするためには、少しでも早い段階から準備を進めていくことが大切です。
しかし「終活ってそもそも、どんなことをすれば良いの?」「やることが多くて、どうすれば良いかわからない」という人もいるのではないでしょうか。
そこで本記事では、就活に悩んだ時の相談先について「費用」や「介護」「資産管理」など、それぞれのケース別に解説していきます。
終活を始めようと思ったけれど、誰に相談してよいかわからないという方の参考になると幸いです。
終活についての相談はまず「家族」
終活の相談先を決める前に、まず「目的」について考えてみましょう。
終活を始めるきっかけや理由は人それぞれ異なりますが、中でも多くの人は「遺された家族に迷惑をかけないため」に始めるケースが多くなっています。
家族のことを考えて取り組むべき活動ですので、真っ先に相談する相手は、やはり「家族」です。
自分の意思を伝えるのは大切ですが、家族の気持ちも踏まえて話し合いながら、進めていくことも重要なポイント。
葬儀やお墓について、家族はどう考えているのか、介護についての方針も相談しておくのがおすすめです。
また、終活について家族に何も相談しなかった場合には、自分にもしものことがあったときに「エンディングノート」や「遺言書」に気づいてもらえない可能性も。
終活の相談は、まず始めに家族にするようにしましょう。
【ケース別】終活の相談先とは?
一言で「終活の悩み」といっても、さまざまなケースがありますよね。
「進め方がわからない」「費用が足りない」「お墓についての詳細を知りたい」など、人によって異なります。
ここからは、ケース別の「相談先」について詳しく解説していきますので、ご自身の悩みに合った相談先を見つけてくださいね。
- 終活全体の相談先
- 生前整理や断捨離についての相談
- 終活費用や資産など「お金」についての相談
- 医療や介護についての相談
- 葬儀やお墓の相談
- 遺言書作成の相談
順番に確認していきましょう。
終活全体の相談先
終活について全体的なサポートやアドバイスが欲しい場合の相談先は、大きく分けて「自治体」と「民間」の2種類です。
自治体への相談は基本的に無料となっており、各自治体でさまざまな支援が行われています。
ただし、自治体によって内容や取り組みは大きく異なるのが現状。
お住まいの自治体に問い合わせてみたり、ホームページを確認してみると良いでしょう。
【自治体で行われている主な取り組み】
- エンディングノートの無料配布
- 終活全体を通しての相談受付
- 終活セミナーや終活相談会の開催
- 高齢者の安否確認サービスの実施
- 補助金や助成金の交付
一方、民間の業者に依頼する場合は「有料」となります。
一般的には「終活アドバイザー」や「終活ライフケアプランナー」に相談可能。
依頼する業者によって、費用が異なるのはもちろんですが、プランやコース(どこまでサポートしてほしいか)によって大幅に料金が変わることを覚えておきましょう。
終活全般のサポートを行っている「終活協議会」についての詳しい内容については、下記の記事で紹介しています。気になる方は、ぜひ覗いてみてくださいね。
生前整理や断捨離についての相談
終活の中でも取り組む人の多い「生前整理」や「断捨離」。
生前整理や断捨離の中には「人間関係の整理」や「デジタル終活」も含まれています。
処分する物が極端に少なければ、何回かに分けて「燃やせるゴミ」や「燃やせないゴミ」などで対応できるかもしれませんが、ある程度まとまった量の品物を処分する場合は専門業者に相談するのがおすすめです。
- 遺品・生前整理の代行業者(物の量や間取りによって異なる)
- 不用品回収業者(軽トラック:8,000円~15,000円/2トントラック:20,000円~35,000円)
遺品・生前整理の代行業者の場合、処分する品物の量や間取りによって費用が大きく異なるため注意しなければなりません。依頼する業者によっても、かなり金額に差が出ますので、何社かに見積もりしてもらうのが良いでしょう。
費用相場は「1K・1R:3万円~8万円」「2LDK:12万円~30万円」「4LDK~:25万円~60万円」となっています。
費用の内訳は、下記の通りです。
- 人件費
- 車両費
- 家電リサイクル費
- 処分代
専門業者に依頼する場合でも、まず自分たちで片付けられるものは整理しておくと、費用を抑えることができるでしょう。
「デジタル終活ってどんなもの?」「何をすれば良いの?」と感じた方は、下記の記事で詳しく解説していますので、参考にしてみてください。
終活費用や資産管理についての相談
終活の費用について悩んでいるときには、どこに相談するのが良いのでしょう。
- 各自治体
- 銀行
- ファイナンシャルプランナー(5,000円~20,000円/時間)
「終活に必要な費用が足りない(葬儀やお墓の)」「資産の管理を任せたい」
終活に関係する「お金のこと」といっても、悩みは人それぞれ違ってきます。
終活にかかる費用が足りない時には、お住まいの自治体を確認してみましょう。
自治体によっては「助成金」または「補助金」を実施している場合もあります。
また、ファイナンシャルプランナーは、資産運用についてやライフスタイルに合わせた最適な提案などを行ってくれますので、お金についての不安が軽減されるはず。
銀行の窓口にも、ファイナンシャルプランナーの資格を有する職員が在籍している場合が多くなっています。
ローンの見直しや資産運用についての相談も可能。
相談だけであれば無料でできるケースが多いので、ご自身に合った方法を選ぶようにしましょう。
医療や介護についての相談
終活での悩みと言えば「医療や介護」を、真っ先に思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。
今は元気でも、いつ何があるかわかりません。
「もしもの時に、家族に迷惑をかけたくない」「負担をかけないように、高齢者施設の入居を検討している」という人も。
しかし、自分1人では決められないことも多く、家族の気持ちも尊重しながら話し合いを進めていく事案です。家族への相談はもちろんですが、第三者に相談したい場合には、どこに相談するのが良いのでしょう。
- 各自治体
- 地方包括支援センター
- かかりつけ医や病院のソーシャルワーカー
上記は全て無料で利用できるサービスです。
「気になっている高齢者施設で必要となる費用」や「入居条件」など、さまざまな悩みに寄り添ってもらえるのがポイント。
また、自分や家族の希望を伝えることで、条件に合ったサービスを紹介してもらえることも。
地域包括支援センターの利用は「65歳以上の高齢者」となっていますので注意しましょう。
葬儀やお墓の相談
終活と言えば「お墓」や「葬儀」についても、事前に検討しておく必要があります。
選択する葬儀プランや供養方法によって、金額は大きく異なるため、あらかじめ予算を決めておくのがおすすめです。
また、以前は「お墓」が一般的でしたが、現在ではさまざまな納骨先を選ぶことができるようになりました。
納骨堂や樹木葬・散骨や手元供養など、個人の希望に沿った埋葬方法が選択できます。
- 葬儀屋
- お寺や霊園
- 墓じまい代行業者(16万円~30万円)
葬儀やお墓の相談が無料でできるのは、葬儀屋やお寺です。各自治体でも「終活セミナー」や「終活イベント」などが開催されることもあるため要チェック。
生前でも契約できる業者が多数あるので、必要となる費用はもちろん規模感や形式などの細かい点も決めておくと安心です。
墓じまい代行業者は、お墓を撤去して新たな納骨先に移したい場合などに利用します。
墓じまいに関するさまざまなトラブルに対応してくれたり、条件や希望に合わせた最適な納品先のアドバイスがもらえたりするのでひじょうにおすすめ。面倒な手続きも、任せることができます。
墓じまい代行業者について、もっと詳しい情報が知りたいという方は、ぜひ下記の記事をチェックしてみてくださいね。
遺言書の作成についての相談
自分に万が一のことがあった場合、遺言書を作成しておかなければ「親族間トラブル」に発展してしまうケースも珍しくありません。
遺産分割で揉めてしまい、絶縁状態に陥ってしまうこともあるのです。
また、遺言書には「自筆証書遺言」と「公正証書遺言」の2種類があります。自筆証書遺言は、自分で作成できるというメリットがある反面、不備によって無効となる場合も。
専門家に依頼することで、リスクを回避できます。
- 司法書士(8~20万円前後))
- 税理士(6万円~15万円前後)
- 弁護士(10万円~30万円前後)
- 行政書士(10万円前後)
事前に「相続を巡るトラブルに発展する可能性」があると予想できるときには、弁護士に依頼するのがおすすめ。
弁護士に依頼すると、自分にもしものことがあった場合でも、故人の代理人として「裁判」や「調停」などの対応が可能なため安心です。
終活セミナーや終活相談会ってどんなことをするの?
多くの自治体で開催されている「終活セミナー」や「終活相談会」とは、どのようなものなのでしょう。
終活セミナーでは、終活にまつわる数々のテーマについて、学ぶことができるます。
その都度「テーマ」や「講師」、「主催者」などが変わりますので、あらかじめ自分が気になるセミナーに参加できるのが大きなメリット。
「終活全般」を学べるものもあれば「墓じまい」「エンディングノート」「生前整理」など、ピンポイントのテーマで開催される場合もあります。
セミナーの途中では、参加者の質問を受け付ける時間も用意されていますので、気になる方はぜひ自治体のホームページなどで確認してみてくださいね。
まとめ|終活の相談はまず「家族」!悩みに応じて相談先を選ぼう
本記事では、終活で悩んだときの相談先や費用、終活セミナーの詳細などについて詳しく解説してきました。
近年、大きな注目を集めている「終活」ですが、実際に取り組んでみると「わからないこと」や「不安点」などが次々と生まれてきます。
そんな時、まず第一に相談する相手は家族です。終活に関する情報を、家族と共有しておくことは非常に重要。
お互いの意見や気持ちを尊重し合いながら進めていかなければなりません。
また、第三者への相談では、自治体や銀行・かかりつけの病院など「無料」で相談できる機関が多いこともわかりました。
一人で悩まず、積極的に利用するようにしましょう。
終活セミナーや相談会なども、上手に活用してみてくださいね。
最後までお読みいただきありがとうございました。以上、参考になると幸いです。