「終活」という言葉をよく耳にするけれど、具体的な内容は理解できていないという方も多いのではないでしょうか。
「何から始めたらいいの?」「準備するものはあるの?」といった疑問を持っている人も少なくありません。
そんなとき、事前に「やることリスト」を知っておくと安心して始められますよね。
本記事では、終活とはどのようなものか、やることリストや注意点について詳しく解説していきます。
「これから終活の準備をしたい」という方の参考になると幸いです。
そもそも「終活」とは?
そもそも「終活」には、どのような意味があるのでしょうか。
終活とは、これから訪れる「人生の最後」を迎えるにあたって、生前にさまざまな準備をしておくことです。
終活をする理由は「子供や家族に迷惑をかけないように」「残りの人生を、より充実したものにするため」など、人によってさまざま。
具体的な内容は「資産の整理」「お墓や葬儀についての検討」「介護に対する意思表示」などがあります。
今後も「終活」に取り組む人の数は、益々増加していくことが予想され、さらに脚光を浴びるであろう活動のひとつです。
この機会に「家族のため」「自分自身のため」に、終活を始めてみると良いかもしれません。
終活「やることリスト」10選
それではここから、終活を始めるにあたっての「やることリスト」について解説していきます。
今から紹介するリストですが「必ずやらなければいけない」というわけではありません。
「終活」はそもそも自由に取り組むべき活動ですので、決められたルールなど存在していないのです。
リストの中で「これはやっておきたい」「この活動は自分には必要ない」など選択しながら取り組んでみてくださいね。
- エンディングノートを作る
- やりたいこと・挑戦したいことのリストアップ
- 不用品を整理する(断捨離)
- 資産を確認・整理する
- 遺言書の作成
- 葬儀やお墓の準備
- 介護の準備や希望
- 住まいを見直す
- 友人リストの作成
- デジタルデータの整理
ひとつずつ確認していきましょう。
エンディングノートを作る
やることリストの1つ目は、エンディングノートの作成です。
エンディングノートとは、自分に「もしも」のことがあった時に備えて「想い」や「情報」を書き記しておくもの。
書店や文房具店などでも販売されていますが、ご自宅にあるノートでも問題ありません。
無料で配布してくれる自治体も数多くあるため、事前に確認してみると良いでしょう。
エンディングノートに書き留める内容には、決まりごとはありません。
自身の希望や想いを綴ったり、いざという時に遺されたご家族がスムーズに手続きを行えるような情報を書き記したりしましょう。
例えば「銀行口座」や「暗証番号」、またはご家族一人ひとりへのメッセージなどもおすすめ。
ただし、エンディングノートには法的効力がないため、大切なことは「遺言書」へ記載することになります。
やりたいこと・挑戦したいことのリストアップ
2つ目は、やりたいことや挑戦したいことをリストアップしておくことです。
これから訪れる老後では、どのような人生を送りたいのか?また、今後挑戦したいことなどを書き出しておくのがおすすめ。
目標があると、より人生が充実します。
今までは「金銭的な理由」や「子育てと家事の両立」「仕事の都合」などで、後回しにしてきたことも多いはず。
また、子育てや仕事が終わることで、生きがいを見失ってしまう人も少なくありません。
新たな目標を明確化し、実現に向けて取り組んでみると良いでしょう。
新たな資格を取りたい!という方には「終活協議会」の終活ガイド資格もおすすめです。
不用品を整理する(断捨離)
3つ目は「不用品の整理(断捨離)」です。
遺された家族にとって、遺品整理には、大きな労力が必要。
思い出の詰まった品物を処分することは精神的に負担となりますし、確認しきれないほど大量の遺品がある場合には、時間や体力を消耗してしまいます。
元気なうちに、身の回りの断捨離を進めるのがポイントです。
高価なアイテムやどうしても捨てられないものは、エンディングノートを活用して、家族に伝わる工夫をしておきましょう。
資産の整理・確認
自分でも把握できていない資産は、意外に多いものです。
終活を始めた際には、まず資産の見直しを行いましょう。
もちろん、負債やローンがある場合には、それについてもしっかりと書き出しておく必要があります。
銀行口座や株式投資などはもちろん、不動産や保険の情報についても、一覧表にしておくとスムーズです。
既に使用していない口座などは、早い段階で手続きを済ませておきましょう。
遺言書の作成
終活のやることリストで忘れてはいけないのが「遺言書の作成」です。
どれだけ仲の良い兄弟や姉妹であっても、遺産を巡って、大きなトラブルに発展するケースは少なくありません。
最悪の場合、絶縁状態になってしまう可能性も。
遺産トラブルを未然に防ぐためにも、遺言書の作成は欠かすことができません。
遺言書には、下記の3つの種類があります。
- 自筆証書遺言
- 公正証書遺言
- 秘密証書遺言
自筆証書遺言は、自分で手書きすることができ、コストもかかりません。
しかし、一定の条件を満たしていない際には無効となる恐れもあるため注意が必要。
公正証書遺言には費用が発生し、手間もかかりますが、無効となることがないのでおすすめです。
葬儀やお墓の準備
葬儀やお墓の準備も、終活を行う上で押さえておきたいポイントのひとつ。
自身の希望があれば、生前でも「葬儀」や「お墓」の予約を受け付けている業者は数多く存在しています。
もし、生前に葬儀場やお墓の予約を入れる場合には、必ずエンディングノートなどに書き留めておきましょう。
遺されたご家族は、亡くなったことのショックで、葬儀の手配やお墓のことまで対応できないケースも。
自分自身が元気なうちに手配を済ませておけば、家族にかける負担も少なくなります。
介護の準備や希望
介護の準備や希望する病院・対応についても検討しておきましょう。
突然、大きな病気に見舞われることも十分に考えられますし、認知症を発症してしまう可能性もゼロではありません。
病気になったときには、どのような対応を望んでいるのか?延命措置についてや希望する病院名なども書き留めておくと安心です。
また、認知症が進んでしまうと、自分の希望を伝えることが難しくなります。
早い段階から、自分が希望するサポートについて、家族と共有しておきましょう。
住まいを見直す
老後の住まいについても、元気なうちに検討しておくことがおすすめ。
現在住んでいる場所に住み続けるのか、子供たちとの同居を希望するのか、または高齢者施設に入居するのも一つの方法です。
例えば、今の住居に住み続ける場合、今後の生活を考えるとリフォームが必要となることもあります。費用についての確認も重要。
また、一人暮らしには限界があるため、先のことを見据えて考えなければなりません。
高齢者施設を検討しているときには、いくつか候補を見つけて、必要となる費用を比較しておきましょう。
友人リストの作成
自分に万が一のことがあったとき、伝えてほしい友人や知人をリスト化しておくことも大切です。
もしものとき、連絡してもらいたい友人たちを一覧にしておくと、ご家族もスムーズに対応できます。
また、時には「人間関係の整理」も必要です。
終活の目的には「残りの人生を、より充実したものにする」ということも含まれています。
今までは、仕事関係やご近所付き合いなど、さまざまな理由から多くの人付き合いがあったかもしれません。
合わない人がいても、無理をして関係を続けていたというケースも多いでしょう。
しかし、残りの人生は、自分の幸せを最優先しても良いはずです。
不要な人間関係は、この機会に思い切って見直してみてはいかがでしょうか。
デジタルデータの整理
今の時代、多くの高齢者がスマホやパソコンを使いこなしていますよね。
デジタルデータとは、端末に残っているデータのことで、主に「写真」や「メール」「動画」や「アプリ」を指しています。
それ以外にも、ブログやSNSなど、整理しておくべきデジタルデータは多数。
エンディングノートなどに、パスワードやIDを残しておくと安心です。
また、サブスクリプションに加入している場合は要注意。
ご家族が、パスワードやIDを把握していなければ、解約手続きも不可能です。
ネット銀行やネット証券も、デジタルデータに含まれますので、持っている場合には事前に対応しておきましょう。
終活を行う際に注意すべき3つのポイント
終活を検討したとき、事前に注意しておきたいポイントが3つあります。
- 元気なうちに始めること
- 状況に応じて計画の見直しや変更も!
- 家族と情報を共有しておく
それでは、順番に確認していきましょう。
元気なうちに始めること
終活を始めるのは「○○歳から」という決まりはありません。
自分の生活に余裕ができたときや、興味を持ったタイミングで始めましょう。
しかし「まだ、終活を始めるには早すぎる」という思いから、先延ばしにしてしまうのはNG!
できるだけ元気なうちに取り組むようにしましょう。
終活の中には、頭を使うものや体力を使うものもあります。
いつ、大きな病気を患ってしまうかわかりませんし、突然認知症を発症してしまうケースも。
「早すぎる」ということはありませんので、できるだけ早い段階から取り組むと良いでしょう。
状況に応じて計画の見直しや変更も
一度、自分なりの「終活プラン」を立てたからといって、それで終わりではありません。
日々の生活の中で、状況が変わってしまうこともあるでしょう。
例えば、終活を始めた当初は「○月までにエンディングノートを完成させる」「子供に迷惑をかけたくないから同居だけはしない」などと考えていた場合でも、思い通りに進められないことや気持ちが変化してくることもあるかもしれません。
終活プランは、自分自身で自由に変更できます。厳しいルールを設ける必要などないのです。
高齢者施設に入る予定だったけれど、子供が同居してくれることになったというケースも。
定期的に自身の「終活プラン」を見直し、状況や気持ちの変化に合わせて、柔軟な対応を取ることが大切です。
家族と情報を共有しておく
3つ目のポイントは、自分が取り組んでいる「終活」の情報を、事前に家族に共有しておくことです。
どれだけ熱心に「終活」に取り組んでいたとしても、それを家族に見つけてもらえなければ意味がありません。
「エンディングノートを作っている」「遺言書を作成した」など、大切なことは伝えておくようにしましょう。
また、自分の意見だけを押し通すのではなく、日頃から家族の意見を聞いておくのがおすすめ。
葬儀のことやお墓のこと、老後の住まいのことなど、自分の希望だけでは家族に迷惑がかかってしまうこともあります。
より充実した老後を過ごすためにも、家族とのコミュニケーションを大切にしていきましょう。
まとめ|やることリストをチェックして終活に取り組もう
本記事では、そもそも「終活」とはどのようなものなのか、やることリスト10選や注意点について詳しく解説してきました。
今、多くの人が取り組んでいる「終活」。
遺された家族の負担を減らすため、自分の人生をより充実したものにするために取り組んでいることがわかりましたね。
終活を行うには時間も体力も必要ですので、元気なうちから、少しずつ進めていくのがおすすめ。
また、状況や気持ちの変化に合わせて、定期的に見直すのが良いでしょう。
今回紹介した「やることリスト10選」を参考に、素敵なセカンドライフを送ってくださいね。
最後までお読みいただきありがとうございました。以上、参考になると幸いです。