近年、一気に注目度の高まった「終活」。
テレビはもちろん、ニュースや雑誌・インターネットでも目にする機会が増えましたね。
「終活」と聞くと、財産の整理や部屋の片づけ、お墓の管理などをイメージする方が多いかもしれません。
しかし、忘れてはいけないのが「デジタル終活」です。
人には見られたくない情報が、スマートフォンやパソコンにたくさん詰まっている!という人もいるでしょう。また、デジタル終活を行っておくことで、個人情報の流出や悪用を防ぐことにもつながります。
そこで本記事では、終活を始めたときに欠かせない「デジタル終活」とはどのようなものなのか、デジタル終活で知っておきたい「デジタル遺品」やメリット・注意点を解説していきます。
これから終活を始めようかとお悩みの方の参考になると幸いです。
そもそも終活とは?
そもそも、近年数多くのメディアで取り上げられるようになった「終活」には、どのような意味があるのでしょうか。
終活とは、遺された家族に迷惑や負担をかけないよう準備をする「人生を終わらせるための活動」です。
それだけでなく、残りの人生をより良いものにするための取り組みや、自分らしく老後の生活を送るために必要な準備でもあります。
また、自分が亡くなった後に家族間で遺産トラブルが起こることを防いだり、遺品整理や葬儀などの負担を軽くするといった意味も。
終活を行う・行わないは個人の自由ですが、家族のためだけでなく、自分にとってもプラスとなることが多い活動として広まっています。
「終活は、具体的にどんなことをすればいいの?」と疑問に感じている方は、ぜひ下記の記事を参考にしてみてください。
デジタル終活ってどんなこと?
それでは「デジタル終活」にはどのような意味があるのでしょう。
デジタル終活は、インターネット上にあるデータを生前に整理しておくことです。
ネット上のデータを「デジタル遺品」と呼びます。
高齢者のスマホ普及率も非常に高く、SNSや電子マネーなどを利用している方も多いですよね。
そのような背景もあり、デジタル終活が注目を集めているのです。
自分が亡くなった後、数多くのデジタル遺品が残っていたり、IDやパスワードがわからなかったりすると思わぬトラブルに発展してしまう可能性も。
遺された家族にも迷惑を掛けることがありますので、不要なデータの削除や、パスワードやIDのメモなどを残しておくのが良いでしょう。
デジタル遺品とは?
それでは、具体的に「デジタル遺品」にはどのようなものがあるのか見ていきましょう。
- 動画または写真ファイル
- 電話帳やメールのデータ
- アプリやインターネットサービスのログイン情報
- SNSアカウントのログイン情報
ひとつずつ解説していきます。
動画または写真ファイル
スマートフォンやパソコン・SDカードやUSBメモリーの中に、動画や写真のファイルがたくさん入っている方も多いはずです。
必要のないものは事前に整理しておくのがおすすめ。
家族との思い出のデータや自身の遺影として使ってほしい画像などは、フォルダ分けしておくと良いでしょう。
電話帳やメールのデータ
電話帳やメールのデータが大量にある場合は、しっかりと整理しておくことが大切です。
電話帳には、大切な友人・知人の電話番号や連絡先が示されているはず。ご自身に万が一のことがあった場合、ご遺族が電話帳を確認して訃報を知らせる可能性もあります。
電話帳に登録されている件数が多すぎると、誰に知らせればよいのか悩んでしまうでしょう。
不要なアドレスなどは削除しておくのがポイント。
また、店舗やオンラインショップなどのメールマガジンを必要以上に登録している方は、あらかじめ登録解除しておくのがおすすめです。
アプリやインターネットサービスのログイン情報
アプリやインターネットサービスのログイン情報を、わかりやすくしておくことも大切です。
すべてが同じメールアドレスやパスワード・IDなどであれば管理も簡単ですが、それぞれのサービスによって「パスワードは○○文字以上」「アルファベットの大文字必須」「記号も含めなければならない」など、ルールが異なります。
使用していないものは「有料」「無料」を問わずに解約、または退会しておくのが望ましいでしょう。
実際に使っているものに関しては、サービスごとにパスワードなどのログイン情報を整理しておくと安心です。
SNSアカウントのログイン情報
今の時代、SNSでのつながりも忘れてはいけません。
SNS上でやり取りを行っていた人も、訃報を知らずにメッセージを送ってきてくれる可能性もありますよね。
また、Facebookやインスタグラムでは「追悼アカウント」の設定も可能。
しかし、アカウントを削除する場合でも追悼アカウントにする場合でも「ログイン情報」は必須です。
遺族に意向が伝わるようなメッセージを残しておきましょう。
デジタル終活を行うメリット
デジタル終活をおこなうめりっとには、どのようなことがあるのでしょうか。
- お金のトラブルを避けられる
- 個人情報の漏洩・悪用を防ぐことができる
- プライバシーの保護につながる
順番に確認していきましょう。
お金のトラブルを避けられる
今の時代、高齢者であっても「ネット銀行」や「ネット証券」を利用している人も多くなっています。
遺族も、以前から使っていた銀行口座などは確認しますが、ネット銀行やネット証券については把握しきれていないことも多いでしょう。
もし、見つけた場合でも、IDやパスワードがわからなければ相続できない可能性も。
後の親族トラブルに発展しないよう、事前に対応できるのがメリットです。
個人情報の漏洩・悪用を防ぐことができる
現代では「インターネットショッピング」が主流となってきました。
高齢者も、日常的にインターネットで買い物する機会があるでしょう。
そこには、クレジットカードの情報や住所・電話番号などの個人情報が登録されています。
放置しておくのは、個人情報の漏洩や悪用につながりかねません。
SNSの「アカウント乗っ取り」などにも効果的です。
プライバシーの保護につながる
誰にでも、人には見られたくないデータが存在しているはずです。
日々の気持ちを綴った日記や、友人や知人のプライバシーに関わる情報などを持っていることもありますよね。
生前にデジタル終活を行っておくことで、人には知られたくない自分だけのデータを整理することができます。
デジタル終活における注意点
それでは最後に、デジタル終活における注意点について確認していきましょう。
- デジタル終活について家族に伝えておく
- 記載した情報は定期的に更新を行う
まず第一に、デジタル終活について家族に伝えておくことが重要です。
家族が気付かない可能性も十分に考えられますので、必ず知らせるようにしましょう。
せっかく情報の整理やパスワードなどの記載をしても、発見されなければすべてが無駄になってしまいます。
また、情報の更新は定期的に見直し、間違いがないか?変更点はないかを確認するのがおすすめです。
新たに利用を始めるサービスも出てきますので、漏れなく記載しておくよう努めましょう。
まとめ|デジタル終活は家族のため・自分のために行いましょう
本記事では、近年注目されている「デジタル終活」とはどのようなものなのか、デジタル遺品の種類や注意点などについて詳しく解説してきました。
多くの方が利用しているスマートフォンやパソコンには、数々のデータが詰まっています。
自分にもしものことがあったとき、デジタル終活を行っておくことで、家族にかける負担を大幅に減らすことが可能です。
また、個人情報の漏洩やプライバシー保護の面など「自分自身のため」に行っておくのが大切。
定期的に情報を見直す必要があるため「まだ早い」と思わず、時間をかけて準備しておくようにしましょう。
最後までお読みいただきありがとうございました。以上、参考になると幸いです。