終活を検討し始めたとき「何から始めるべき?」「できることから、ゆっくり進めていきたい」と思う方もいますよね。
終活では、やるべきことがたくさんあるため、多くの人が自分のペースで少しずつ始めたいと考えるはずです。
断捨離は、終活の中でも時間と体力が必要となるため、早い段階から始めたい活動のひとつ。
しかし、何を捨てて何を残すべきなのか悩んでしまうかもしれません。
また、時間をかけて少しずつ進めていくことで、精神的にも体力的にも負担が軽くなります。
本記事では、終活で断捨離を行う目的やメリット、残すべき物・捨てるべき物や手順について詳しく解説していきます。
「終活では、どうして断捨離をするの?」「断捨離を進める手順は?」といった疑問をお持ちの方の参考になると幸いです。
終活で断捨離をする目的とは?
そもそも、終活において「断捨離」をする目的はどのようなことなのでしょう。
- 遺された家族の負担を軽減するため
- 持ち物を事前に把握できるため
- 物への執着心をなくすため
ひとつずつ確認していきましょう。
遺された家族の負担を軽減するため
自分にもしもの事があった場合、遺された家族は深い悲しみの中、さまざまな対応に追われることとなります。
中でも「遺品整理」には、多くの時間と労力を費やすことになるのです。
「親が大切にしていたものだから捨てられない」「捨ててしまったら悲しむのではないか」などと、余計な負担をかけることに。
自ら断捨離を行っておくことで、家族に迷惑をかけずに済みます。
持ち物を事前に把握できるため
物で溢れた生活を送っていると、自分自身でも「持ち物の把握」が出来ていない可能性が高くなります。
例えば、使っていない銀行の通帳が何枚もあったり、何十年も着用していない着物があったりするケースも。
持ち物を把握できていなければ、資産の管理も難しくなります。
それだけでなく、探し物をする際にもあちこち探し回ることとなり、見つけられない場合には購入し直すこともあるでしょう。
断捨離を進めることで、必要なものだけに囲まれた生活となり、管理もしやすくなるはずです。
物への執着心をなくすため
物への執着心があると、不要な物であっても捨てることができず、物に囲まれた中で生活していくことになります。
不要な物も捨てられないほど執着してしまうと、掃除するのも困難になりますし、生活が荒んでしまうことも。
思い切って「執着心」を手放してみると、部屋だけでなく気持ちもすっきりし、想像以上に快適な生活を送ることができます。
断捨離を行い、物への執着心をなくすことができれば、終活もスムーズになるでしょう。
終活で断捨離を行う3つのメリット
終活の断捨離を行うことで得られるメリットについて確認していきます。
終活で断捨離を行うメリットは、大きく分けて3つです。
- 気持ちの切り替えができる
- 老後の生活が快適になる
- 人間関係で悩むことが減る
順番に解説していきます。
気持ちの切り替えができる
断捨離を行い、不用な品物を整理することで、気持ちの切り替えができます。
部屋がすっきりすると、模様替えしたときや引っ越ししたときのような、新たな気持ちで生活できるようになるのです。
見た目だけでなく、引き出しや押し入れを開けると、物が散乱していたり不用品で溢れていた方もいるのではないでしょうか。
必要なものだけを残した結果、ストレスからも解放され、心機一転を図ることが可能になります。
前向きで明るい気持ちが生まれることも、大きなメリットと言えるでしょう。
老後の生活が快適になる
断捨離のメリット2つ目は、老後の生活が快適になることです。
年齢を重ねていくと、掃除ひとつでも億劫に感じてしまうことがありますよね。
必要な物を探すときでも、物がたくさんあると探すだけでも一苦労。最悪の場合、見つけられない可能性も。
しかし断捨離を行い、最低限の物に囲まれた生活を送っていると、掃除も簡単です。
また、さまざまな貴重品の管理もしやすくなるため、老後の生活が快適になるでしょう。
人間関係で悩むことが減る
断捨離のメリット3つ目は、人間関係で悩むことが減る点です。
「断捨離」という言葉から「使わなくなった家具や衣服などを捨てる」というイメージをお持ちの方も多いかもしれません。
もちろん、家具や衣類・電化製品や靴などを処分するのも断捨離のひとつ。
しかし、断捨離を行うのは「物」だけではありません。人間関係やデジタルデータなども整理するのがおすすめです。
今までは、会社関係の付き合いや子供のつながりなどがあり、多少無理をして関係を維持していた知人も多いのではないでしょうか。
「話すとストレスになる」「何となく話が合わない」と感じていても、なかなか付き合いを断ち切ることは難しいですよね。
終活の断捨離をきっかけに、人間関係もリセットしてみましょう。本当に大切な友人・知人との交流だけになると、人間関係のしがらみやストレスから解放されます。
また、断捨離において、デジタル終活も忘れてはいけません。
利用していないサブスクリプションはもちろんですが、使っていないSNSのアカウントや、疎遠になっている人の連絡先なども整理しておくのがおすすめ。
自分に万が一のことがあったときにも、家族に迷惑をかけずに済みます。
デジタル終活の詳細につきましては、下記の記事で解説していますので、ぜひチェックしてみてくださいね。
断捨離で残すべき物と捨てるべき物
ここからは、終活で「残すべき物」と「捨てるべき物」について見ていきましょう。
断捨離で1番悩むポイントが「これは捨てても良い?」と、自問自答してしまうことではないでしょうか。
これから断捨離をスムーズに進めていけるよう、残すべき物と捨てるべき物の見分け方を紹介していきます。
終活の断捨離で残すべき物
断捨離といっても、あれもこれも全て捨てれば良いというわけではありません。
しっかりと残しておくべき物を把握してから取り組むようにしましょう。
- 通帳や印鑑
- 書類関係
- 非常食や非常用アイテム
必ず残しておくべき物は、上記の3点です。
通帳や印鑑は、今使っていなくても、必ず残しておかなければなりません。
例えば、長い期間使用していなかった通帳の場合、残高がそれほど多くないこともあるかもしれません。
「もう使っていないから捨ててもいい」と考えるのはNG。記帳していないだけで、資産が残っている可能性もあります。
また、印鑑については、どこかの銀行印になっているケースも。暗証番号を忘れてしまうと、銀行印が必要になりますので、必ず残しておきましょう。
書類も同様です。紙類はかさばりますし、普段目にする機会が少ないため「もう必要ないのではないか?」と思ってしまいます。
しかし中には、不動産の契約書や土地の権利書・電化製品などの保証書などの大切な書類も。
書類などを整理する際は、十分に確認しながら行うようにしましょう。
非常食などの非常用アイテムも「使う機会がなさそう」という理由で処分してはいけません。
災害や天災などは、いつどんな時に起こるかわからないものです。非常用に揃えてあるアイテムについては、しっかりと残しておきます。
終活の断捨離で捨てるべき物
それでは、断捨離で捨てるべき物にはどのような物があるのでしょう。
捨てるべき物を決めるときには「現在使っているのか」「明確に使う予定があるのか」ということを基準に考えるのがポイントです。
例えば、2〜3年着ていない洋服の場合「高かったから捨てるのは勿体無い」「いつか着ると思う」という曖昧な考えで残すべきではありません。
2〜3年着ていない服は、もう着ないはずです。思い切って処分するのがおすすめ。
寝具類も、必要以上に押し入れに眠っていませんか?自分たちが使う分だけ残して、断捨離を進めましょう。
昔買ったブランド物のバッグや靴なども、現在は価値が下がっている物が多いはずです。念の為、査定に出してみるのも良いですが、今後も使用していない場合には、整理した方が良いでしょう。
雑誌や本の処分も、家族の負担を軽減するためには行っておくと安心です。もし、また読みたい本があっても、今はスマホやタブレットなどで「電子書籍」として読むことができます。
また「子供の物は、思い出が詰まっていて捨てられない」という人もいるはず。
しかし、大量に残しておくと断捨離に支障をきたしてしまいます。
今では、さまざまなものを「デジタル化」できる時代です。たくさんのアルバムや成績表、絵のプレゼントなどは、画像に保存して1枚のCDなどで保管できます。
本当に必要な物や使用している物は捨てる必要はありませんが、断捨離では、できるだけ身の回りをすっきりさせられるような思い切りも必要です。
終活で断捨離を行う手順
断捨離を行う手順についても気になるところです。
終活の断捨離は、非常に大掛かりで大変なイメージを持っている方も多いかもしれません。
しかし、自分のペースで少しずつ進められますので、しっかりと手順を守って進めていきましょう。
- 自分の持ち物を確認
- チェックリストの作成
- 「捨てる物」「必要な物」を分ける
大まかな手順は、上記の3点だけです。
まずは自分の持ち物について一通り確認します。
「どのくらいの量があるか」「どのくらい捨てると、すっきりした生活を送れるのか」など、大まかな全体像を把握しておきましょう。
持ち物を確認すれば、ゴールも見えてくるので計画的に断捨離を進めていくことができます。
続いてチェックリストの作成です。
まずは自分の中で「必要なもの」「不要なもの」に分け、必要なものの中から「汚れていないか」「壊れていないか」「たくさんあり過ぎるのではないか」を確認します。
これだけでも「処分できるもの」を、ある程度見極めることができるでしょう。
そこから「使用頻度」ごとに、細かく選別していきます。使用頻度が極端に低いものに関しては、断捨離を行う選択をしても良いかもしれません。
断捨離で気をつけたい注意点
最後に、終活での断捨離で、気を付けたい注意点について解説していきます。
- 一気に終わらせようとしない
- 物を増やさない生活を意識する
順番に確認していきましょう。
一気に終わらせようとしない
注意点の1つ目は、一気に終わらせようとしないことです。
終活の断捨離は、時間や労力が必要になります。
「早く終わらせなければならない」という気持ちから、一気に終わらせようとすると大きなストレスになることも。
また、スタートで飛ばし過ぎてしまうと、途中でモチベーションが下がってしまいます。
焦る必要はありません。自分のペースで少しずつ進めていきましょう。
物を増やさない生活を意識する
断捨離を行った後は、できるだけ「物を増やさない生活」を意識するようにしましょう。
せっかく多くのものを処分してすっきりと快適な生活が送れるようになっても、物を増やしてしまえば、また断捨離を行わなければなりません。
断捨離した状態をキープできるよう心掛け、新しいものを購入する際には「本当に必要なものなのか」について検討するのが良いでしょう。
まとめ|終活の断捨離は自分のペースで進めよう
本記事では、終活で断捨離を行う目的や断捨離を行うことで得られるメリット、手順や注意点について詳しく解説してきました。
断捨離でもっとも悩むポイントは「捨てるべきか」「残しておくべきか」と、自問自答してしまうことかもしれません。
そんな時は「現在も使用している」または「明確に使用する機会があるかどうか」を目安に判断するようにしましょう。
断捨離には、ある程度の「思い切り」も必要です。
早い段階からスタートし、自分のペースを守って、無理なく進めていくと良いでしょう。
最後までお読みいただきありがとうございました。以上、参考になると幸いです。