終活の第一歩として「エンディングノート」の作成を検討している方も多いのではないでしょうか。
エンディングノートは自分の好きなタイミングで始めることができ、少しずつ書き進められるため、取り組みやすさも魅力のひとつ。
しかし、実際に始めてみると「書き方がわからない」「なかなか進まない」と悩んでしまうことも多いはずです。
そこで本記事では、エンディングノートの書き方のコツや目的、注意点について詳しく解説していきます。
「エンディングノートを作成して、家族の負担を減らしておきたい」「自分の人生を、今一度振り返りたい」とお考えの方の参考になると幸いです。
エンディングノートを作成する目的とは?
そもそも終活において、なぜ「エンディングノート」を書く必要があるのでしょうか。
エンディングノートを書く目的は、人によってさまざまです。
主に「自分が亡くなったときに、家族の負担を軽減するため」「認知症を発症した際に備えるため」などがあります。
また、これまでの人生を振り返って、新たに挑戦したい「目標」を定めるために作成する方も。
エンディングノートは「自分のため」「家族のため」に大切なものです。
書き始めることによって、新たな発見があったり、前向きな気持ちになったりすることも。
残りの人生を、どのように過ごしたいのかを再確認でき、直接だと照れくさい「家族に伝えたいメッセージ」もスムーズに書くことができるでしょう。
終活全体についての流れは、下記の記事で詳しく解説しています。興味のある方は、ぜひ参考にしてみてくださいね。
エンディングノート|書き方のコツ3選
エンディングノートをスムーズに書くためには、どうすれば良いのでしょうか。
そもそも、エンディングノートの書き方に決まりごとはありません。いつでも好きなときに修正や加筆ができるので、完璧を求める必要がないのです。
しかし中には、あれこれ考えてしまい、なかなか進まないという方も多いはず。
ここからは、書き方のポイントを3つ紹介していきます。
- 自分にとって書きやすい項目から始める
- 空欄は気にしなくて良い
- 家族と相談しながら進める
順番に見ていきましょう。
自分にとって書きやすい項目から始める
エンディングノートをスムーズに書く方法として、まずは自分の書きやすい項目から始めるのがおすすめです。
例えば「相続について」「希望の介護・医療について」の項目は、書くまでに時間がかかりそうと感じる人もいるでしょう。
それぞれのエンディングノートによって、ページ構成は異なります。
はじめに、ノート全体に目を通し、スムーズに書ける項目から埋めていくようにするのがポイント。
また、エンディングノートには「過去」「現在」「未来」の内容を書くことになります。「過去」の内容は、比較的書きやすい場合が多いでしょう。
エンディングノートには「1ページ目から順番に書き進める」「最初のページを埋めるまでは、次に進めない」というルールはありません。
ただし、万が一の事態に備えて「遺された家族に、必ず伝えなければならないこと」を意識して書くこともおすすめ。
自分の好きな項目、書きやすいページから進めていくようにしましょう。
空欄は気にしなくて良い
エンディングノートをスムーズに書き進めるためのポイント2つ目は、空欄を気にしないことです。
そもそもエンディングノートは、自分の気持ちを書き出す場所ですので、少しずつ好きなタイミングで進めていくのがポイント。
無理をして、全ての項目を埋める必要はありません。
いつでも書き加えたり修正したりできるため、気負わず思いのままに作成できる点も、エンディングノートの魅力です。
一度完成させた後も、状況によって、書き直さなければならない箇所も出てきます。
「ここの項目を埋めなければ完成されない」などと考える必要はなく「たくさん空欄があるけれど、また思い付いたときにしよう」という気持ちで臨むようにしましょう。
家族と相談しながら進める
家族と相談しながら進めることも、エンディングノートの書き方のひとつとして覚えておきたいポイントです。
「終活を始めたことや、エンディングノートを作成していることを、家族には話していない」という方もいるかもしれません。
「終活」の話は、家族にマイナスなイメージを与えてしまう恐れがあると考えてしまう人もいるでしょう。
しかし、エンディングノートの存在を家族が知らなければ、せっかく作成しても意味がなくなってしまいます。
終活には、家族の負担を少しでも軽くするためという目的もあるのです。
家族と相談しながら書くのがおすすめ。自分の意向や気持ちを伝えることも大切ですが、家族にもさまざまな想いがあるはずです。
また家族に相談することで、必要なものを準備してもらえたり、わからない点を教えてもらったりできます。
エンディングノートの作成を進めていく中で絆が深まるケースも。
家族の意見も参考にしながら、書き進めていくと良いでしょう。
エンディングノートの3つの注意点
ここからは、エンディングノートを作成するにあたって、気をつけたい注意点について解説していきます。
- 定期的に修正・更新をする
- 法的効力はないことを把握しておく
- 保管は慎重に行う
ひとつずつ確認していきましょう。
定期的に修正・更新をする
エンディングノートの注意点1つ目は、書き終えたら定期的に修正・更新を行うことです。
例えば、50歳でエンディングノートを書き始め、一通りの項目を埋めたとします。
そして自分が60歳になったとき、気持ちが変化しているケースも少なくありません。
エンディングノートは「一度書き終えたら終わり」ではなく、その時々の状況や環境の変化、気持ちの移り変わりを反映していく必要があります。
特に、資産状況や健康状態は非常に変わりやすく、見直しが欠かせません。
目安として「1年に一度」程度の、修正・更新を行うようにしましょう。
法的効力がないことを把握しておく
2つ目の注意点は、法的効力がないことを把握しておくことです。
法的な効力があるのは「遺言書」であり、エンディングノートではありません。
その分、非常に自由度が高く、いつでも修正できます。
例えば遺産を相続させたい相手がいる場合、エンディングノートにその詳細を記載していても、希望が通るわけではないのです。
必ず叶えたい希望がある場合には、エンディングノートと併せて、法的効力のある「遺言書の作成」を行いましょう。
保管は慎重に行う
注意点の3つ目は、厳重に保管することです。
エンディングノートには法的効力はないと言っても、さまざまな個人情報が記載されています。
資産状況やキャッシュカードの暗証番号、家族や親族・友人や知人などの連絡先など、万が一他人に見られてしまうと大変な事態に陥ることも。
エンディングノートの存在について、家族と共有しておくことは大切ですが、保管は慎重に行いましょう。
ただし、見つけてもらえないと無意味になってしまうため、信頼できる身内や友人にだけ保管場所を伝えておくのがおすすめです。
まとめ|エンディングノートの書き方は自由!気軽に取り組もう
本記事では、エンディングノートの書き方のコツや作成する目的・注意点などについて詳しく解説してきました。
エンディングノートは、非常に自由度が高く、自分の素直な気持ちを書き綴ることができます。
決められたルールや手順などはなく、いつでも気軽に修正や加筆できる点も魅力です。
また、家族と相談しながら進めていくことも大切なポイントであることがわかりましたね。
せっかく作成したエンディングノートも、見つけてもらえなければ、想いを伝えることができません。
エンディングノートの存在を、必ず家族と共有しておくようにしましょう。
最後までお読みいただきありがとうございました。以上、参考になると幸いです。